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zoom RSS Restless Soul: After Ours

<<   作成日時 : 2007/11/22 14:05   >>

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Restless Soul: After Ours
Chillifunk CF 016

画像 フィル・アッシャーとルーク・マッカーシーのコンビ、レストレス・ソウルが、99年にChillifunkより発表したシングル。元々のオリジナル・ヴァージョンは、98年発表のChillifunkのレーベル・コンピレーション『Hot Sauce』に収録されていた、メロウなブロークンビート調サンバの少々地味めな楽曲であった。だが、このシングル化に際して、アッシャーとマッカーシーは、よりディープ・ハウス寄りなクラブ向けのアプローチを試みている。新たにシングル用に制作されたメインのヴァージョンであるPhreek Time Mixでは、やや変則気味の四つ打ちビートによるシットリと落ち着いたサンバ・ハウスが展開される。ジャズでアフロなクールで熱いトラック。サンバでカーニヴァルでバカ騒ぎという短絡的な図式とは正反対の、黄昏れたムードのサンバ。大々的にフィーチュアされているネイサン・ヘインズによるフルートとサックスが、本格派のド渋なフレーズをこれでもかとばかりに連発し、アダルトな雰囲気をシュビドゥバッとカキ立てる。物凄いオシャレ。バリバリのお洒落ハウスだ。スノッブな感じの美人クラバーには、こんなような楽曲でスタイリッシュにスマートにダンスに興じてもらいたい。
 B面には、NYのジェローム・シデナム&デニス・フェレールのコンビによるリミックス・ヴァージョンが収録されている。まず最初に飛び出してくるのが、その名もDennis F's Purgatory Mix。パーガトリー、つまり煉獄である。カトリック教徒の世界では、地獄に墜ちるほど罪深くなく無条件に天国に迎え入れられるほど清らかでもない、行き場を失った死者たちがとどめられ、俗世での罪を償い魂を浄化する場を煉獄と呼ぶ。そこで清められた者は、はじめて救済を受けることが可能となる。そんな浄化し清めのための場となるべきリミックス・ヴァージョンは、ムーディなサンバのテイストなどスッカリと抜けきった完全なるNYスタイルのハウス・トラックへと大変貌を遂げている。太く重々しいドッシリとした四つ打ちのキック・ドラムにシンプルなローズ・ピアノのフレーズの反復。控えめだが、明らかにニューヨリカン・ソウル以降な佇まいのドライヴ感満点なベースライン。そこに響き渡るヘインズの朗々たるサックス・ソロ。直球でズバッとド真ん中を射抜かれるような感じ。この煉獄ミックスは、はたしてそのサウンドそのものが救済なのであろうか。それとも、これは反復を繰り返すドープなハウス・ビートに魂が浄化され約束の救済が訪れるまで打ちのめされ続けることを課す、果てしない煉獄そのものを音で表現したものなのであろうか。そして、そのメインの煉獄ミックスに続いて飛び出してくるのは、Ibadan/Sfere Dub。シデナムが主宰するレーベル、Ibadanと、フェレールが主宰するレーベル、Sfereの2つの名称をくっつけただけのダブ・ヴァージョン。基本的な部分は煉獄ミックスと、ほぼ大差はない。ベースラインがよりシンプルな反復のフレーズとなり、サックスもチョロチョロッとフレーズの断片が顔を出す程度。微かだが効果的に使われている声ネタのサンプルの反復が、ストレートなハウス・トラックにダビーな持続感や空間的な広がりを付加している。
 かつては、そんなNYディープ・ハウスの最も黒々としたコアな中心部で活躍をしていたIbadanのジェローム・シデナムであるが、このところチョットばかり無視できない動きを見せ始めている。06年にシデナムが手がけたBBEからのミックスCD『Electric Pussycat』あたりで、もうすでにかなりウッスラとではないくらいに異様な雰囲気はムンムンと漂ってはいたのだ。クロード・フォンストロークやDJコツェ、そしてヘンリック・シュヴァルツなどの楽曲をサラリと使っていた、その内容は、どう考えても昨今のドイツを中心とする新しいミニマル・ハウスの流れに急接近しているものであった。ラストに収録されていた、Paradise GarageのDJ、デイヴィッド・デピーノによるエディット・ヴァージョンのギャズネヴァダ“I.C. Love Affair”にばかり気を取られてしまって、うっかりシデナムが向かっていた本当の方向性を見誤ってしまっていたようである。07年には、Liebe*detailからのアルジー(Argy)“1985”やAUSからのモーターシティソウル“Space Katzle”など、立て続けにドイツ物のリミックスを手がけているシデナム。このままドイツのエレクトロ/ミニマル・ハウスの細道へと奥深く分け入ってゆくつもりなのであろうか。停滞を続けるNYハウスに見切りをつけるのも悪くはないだろう。ハウス・ミュージックも余計なものをガンガンと削ぎ落としてゆけば、おのずとミニマリズムへと行き着くのは必定。今後、シデナムが、どのような動きを見せるのか。しばらくは、注意深く追ってゆく必要がありそうだ。

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