Miss Kittin & The Hacker: Hometown EP

Miss Kittin & The Hacker: Hometown EP
GoodLife GL29

画像 90年代後半から00年代初頭にかけてのエレクトロクラッシュ期に“1982”や“Frank Sinatra”などの刺激的なヒット曲を次々と放った名コンビが久々に復活。03年にMental Grooveよりリリースされた“The Beach”が、片面プレスの半分お遊びのようなフィルタード・ディスコ・トラックであったことを考えると、こうしたガッツリと両者が組み合う形での新作というのは、もしかすると01年のアルバム『First Album』以来ということになるのであろうか。
 A面の“Hometown”は、おそらく二人の出身地であるフランスのグルノーブルについての楽曲であろう。ともに10代の頃に聴き漁ったに違いないニュー・ウェイヴやシンセ・ポップ、80年代に初めて足を踏み入れたローカルなアンダーグランド・クラブのダンスフロアで聴いたエレクトロ・ディスコの安っぽいドラム・マシンによるビートなど、ホームタウンでの音楽原体験に立ち返ったかのようなモロダーやイタロの香りがムンムンと漂う妖しい低空飛行のエレクトリック・ポップ・トラック。キティンのトレードマークである呟きヴォーカルと気だるいコーラスが、シンプルな構成の曲の展開にほどよくマッチしている。ゴッド・セイヴ・ザ・ディスコ・ミュージック。
 B面の“Dimanche”は、8分の大作“Hometown”を余裕で凌ぐ10分を越える暗黒のエレクトロ・ハウス超大作。ヒプノティックでアシッディでベース・ヘヴィでセンシュアル。オリジナルのシカゴ・アシッドのテイストを今日的感覚で拡大解釈したものと思われるサウンドであるが、全てを台無しにしてしまいそうな痛々しいヤリすぎ感の二歩ぐらい手前で踏みとどまっているのが、まあ救いだろうか。だが、中盤以降の焦点がピッチリと定まりタイトにキマッた状態のトラックの疾走感には、かなりグレイトなものがある。その辺りの走り具合を重点的に活かした、もっとコンパクトでシンプルな曲構成でもよかったのかも知れない。
 久々の黄金コンビ復活作であるが、今後さらに新たな作品が出てきそうな雰囲気はあまり感じられない。また数年後にシングルがポツリとリリースされたりするようなことがあるのであろうか。チョッピリ気になるところである。(07年)

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