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<<   作成日時 : 2013/01/20 03:00   >>

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K-POP Recap 2012

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Best Hit 2012



Video streaming by Ustream
Track List:
PSY - Gangnam Style
T-ara - Sexy Love
Jang Hee Young - Love Is Pain
Son Dam Bi - Dripping Tears
Sistar - Loving U
4minute - Vlolume Up
Sunny Hill - Is The White Horse Coming
Seo In Young - Let’s Dance
A Pink - BUBIBU (Remix)
Girl’s Day - Don’t Forget Me
Jewelry – Look At Me
Secret - Poison
Spica - I’ll Be There
Rania - Style
Brown Eyed Girls - One Summer Night
miss A - I Don’t Need A Man
Afterschool - Flashback
Lee Hi - 1.2.3.4
GP Basic - Edge 타
EXID - Whoz That Girl
Wonder Girls - Like This
Dal Shabet - Mr. BangBang
Ailee - Heaven
Sistar - Alone
Orange Caramel - Lipstick
Nine Muses - Ticket
Kara - Pandora
Andamiro - Except
TaeTiSeo - Twinkle
2NE1 - I Love You
EXID - I Feel Good
f(x) - Electric Shock
Spica - Lonely
Crayon Pop - Dancing Queen
Dal Shabet - Have, Don’t Have
A Pink - Hush
Hellovenus - Like A Wave
Dal Shabet - Hit U
SHINee - Sherlock
Sunny Hill - The Grasshopper Song
SNSD - Paparazzi


New Korean Music 2012



Video streaming by Ustream
Track List:
Electric Eels - Trendy
The Children - We, and you
Sistar - Ma Boy (Smells Remix)
Humming Urban Stereo - I Want You Back
Look And Listen - Love Game
Look And Listen - Give It Up
Glen Check - 60’s Cardin
The Freaks - Splash
Mongoose - Secret Kiss
Satbyeol - Do Me
Love X Stereo - Chain Reaction
Kim Ha Ru - Oh wind, Oh clouds
Jang Kiha And The Faces - I Heard A Rumor
Neon Bunny - First Love
Romance Blossom - Always in your heart
Ironic HUE - Fantasy
Kim Ha Ru - Dripping tears
I-noh - Chocolate
Youl - It’s Okay
Smells - Better
Sung Yeon - Why
The corner of a room - The Adventures of frog
Bongwooree with Watersports - Zoo
Busker Busker - Cherry Blossom Ending
MukimukiManmansu - Andromeda (Johann Electric Bach 2002 Remix)
Primary - mine tonight
Woo Ju Buyl - Malton Mode
Islror - Idea
10cm - Han River Farewell
U-AMI - Mascara


「K-POP Recap 2012」

2012年のKポップをザッと思い返してみると、あまりまとまりがなく、よくわからないまま過ぎていってしまった一年であったような印象がある。もちろん、様々な意味において。そこで何かしらのKポップというものを象徴する目立った大きな動きがあったようには思えない。個別のトピックとなるようなものは、常に毎日・毎週のように切れ目なく乱立していたはずである。それぞれの動きが、様々な規模でまちまちな方向へ向けて展開されるものとなり、それぞれに別個の動きとして成り立つものとなっていたところに、そのまとまりのなさの一因はあると思われる。
00年代の後半に興ったKポップ・ブームの盛り上がりそのものは、まだまだ巨大彗星が長く尾を引くように継続してはいた。大きな盛り上がりのうねり自体は、年間を通じて変わらずにあったのである。それを全世界的なレヴェルで見るならば、かつてなかったほどの盛り上がりをみせた一年であったともいえるであろう。だが、その動きのスケールが洋の東西に跨がる巨大なものになったことによって、あまりよく全体が見渡せなくなってしまった部分も確かにある。
11年から続いていた往年のディスコ・サウンドをリヴァイヴァルさせたダンス・ポップ曲は、まだまだ高い人気を誇り、より親しみやすいサウンドとして浸透してきていた。そして、より尖ったサウンドの今風のエレクトロニック・ダンス・ミュージックも、しっかりとしたクオリティの楽曲で注目と人気を集め、ごく普通に日常的なポップスとして親しまれるものとなってきている。
これまで、韓国国内の小さなエンターテインメント界に凝縮される形で熱を帯び、主にインターネットのネットワークなどを通じて外の世界に向かって放出されていたものが、今度は実際の動きとして外の世界に向かって次々と拡散してゆき、全世界的な規模でのKポップに感染する動きが顕著に見られるようになってきたのも12年という年の特徴であった。海外のエンターテインメントの世界でも当たり前のように活動し、コンサートやライヴ・ツアーなどを成功させる、グローバルな人気に対応してゆくには、Kポップを基盤としながらもさらに間口の広いポップ・サウンドへとステップ・アップしてゆくことも自ずと求められてくるのだろう。今まさにより外へと向かおうとしている13年以降のKポップは、全く新しいポップ音楽のフェイズに突入するための門戸の前に立たされているということなのかも知れない。

グローバルな人気を獲得しているKポップ・アーティストは、多岐に渡る活動の合間をぬってスケジュールの調整をし、韓国で新作を発表して数週間のプロモーション活動を行い、そのまますぐにそれまでの活動のペースに戻り、アジアや欧米を中心に国外の都市を慌ただしく飛び回ることになる。そうした実際の海外での活動と、それに関連するレコーディングや撮影やリハーサルなどの入念な準備をこなしてゆくのみで、おそらく年間スケジュールの大半は埋まってしまうのではなかろうか。
そうしたグローバル化へと向かう動きの中から、いきなり何かが弾けるように飛び出してきたのがPSYの“江南スタイル”であった。ある意味では、この楽曲の成功は、ひどくイレギュラーで、どこか全て未消化のまま、思いがけぬほど大きな結果に結びついてしまったようなものに思われたりもする。“江南スタイル”は、PSYにとって約二年ぶりのリリースとなった久しぶりの新曲であった。そして、そのリリースとともに、コミカルでシュールな「馬ダンス」を全面的にフィーチュアした、強烈なインパクトをもつMVが、先ずはYouTubeで話題となる。すると瞬く間に人気に火がつき、一気に世界的なヒットへとつながっていってしまったのだ。また、ここ最近の流行のスタイルであるレイヴィなミニマル・トランス調の小気味よいダンス・サウンドを上手く取り入れた、キャッチーでノリのよい楽曲へと仕上げられていた点も、国内やアジア圏のみならず欧米や南米など海外でのヒットへとつながってゆく上でひとつの大きなファクターとなっていたのであろう。
ただし、インターネットのネットワークを通じての世界的な伝播や、トレンドのサウンドを取り入れ耳にこびりつくようなアクの強い楽曲を仕立て上げるプロダクションなどを基盤とする様式は、従来型のKポップの受容の形と大して変わらぬものでもあったのだ。しかしながら、その楽曲の成功の形そのものは、全くの新しい時代の到来を感じさせる、これまでのKポップにはなかなか越えることのできなかった、ひとつの分厚い壁を軽々と打ち破るものとなったのである。ここに“江南スタイル”という楽曲の前代未聞のヒット現象の不思議なおもしろさがある。
“江南スタイル”という楽曲そのものには、80年代後半から90年代にかけての韓国の音楽界に新しいポップスのスタイルが花開いていった時代から脈々と流れ続ける、老若男女を問わずに大衆ウケを獲得することのできるノリのよい歌謡・歌謡曲の要素が、色濃く含有されているのを認めることができる。最近では徐々に消え入ってしまいそうになっている、そうしたやや前時代的なノリを、極めてベタに継承しているあたりが、今風のスタイリッシュなKポップとは、ちょっとばかり毛色が違うところであろうか。そんな新旧が綯い交ぜになった、かなり過渡期的な楽曲であるという側面が、冗談とも本気ともつかぬ(全く異なる歌謡の系譜に属する非アジア圏では新鮮な驚きとともに受け止められることになる)ケイオティックなノリを生み出すことになっていたのかも知れない。
世界各地のヒット・チャート/ダンス・チャートで首位に立ち、ビルボードのHot 100でも第二位にまで上り詰める空前の大ヒット曲となった“江南スタイル”。そのため本格的に海外で人気に火がつきだした夏以降、PSYはほとんど国内での活動はまともに消化できず、もはや雲の上の存在の世界的スターになってしまっているような状態にあった。このことを踏まえ、これから外の世界へと出てゆこうとするグループやアーティストは、可能な限り広範囲に世界中を飛び回りながらも、いかに韓国の地にしっかりと足をつけていられるかという点も、内外でスムーズに活動を行ってゆく上での重要な鍵になってくるように思われる。もしくは、ある程度の期間は完全に国外向けの活動のみにフォーカスする形に方向性を設定してしまうかのいずれかであろう。

グローバル化の時代に対応し韓国以外の活動にも精力に取り組むKポップのビッグ・ネームやスターが増えてゆくことによって、国内のエンターテインメントの世界には、そうした大物たちがこれまでに独占していた活動枠に不在のための穴が生じてくることになる。そして、そんなわずかな間隙に入り込むことを狙うかのように、今年も多くの新人グループがデビューした。特に、夏以降の動きには非常に活発なものがあった。
こうしたニュー・フェイスたちの楽曲は、隔週の「K-POPかけ込み寺」の放送でできる限りフォローして、こまめに紹介していたつもりなのだが、その動きに完全に追いついていたとはいいがたい。ただ、ある程度まではカヴァーしきれていたように思われるが、結局はどれもこれもベースの利いたファットなダンス・サウンドで、そこそこ歌えているシンガーの歌があって、キレのよいラップが入って、間奏でちらっとダブステップになるという、定番化した展開の楽曲ばかりで、なかなか個別には強く印象に残らなかったのである。
また、12年という年は、これまで以上に小粒な新人グループのデビューが多かった印象がある。よって、まだデビューから一作か二作をリリースしただけの現段階では、どのグループがこれからのKポップの動向を担ってゆく存在になってゆくのかなど全く判断がつかない状態だといってもよい。ただし、全体的に小粒であるということは、ここ数年来の大手の芸能事務所の強力なプロモーション力と周到な根回しの上でデビューを果たしていた新人グループとは、少しばかり違ったバックボーンや雰囲気をもったアイドルたちが本格的に増殖しつつあるということでもある。
韓国の芸能の世界やアイドル業界が、ようやく大手の独占状態から抜け出し始めているということは、これはなかなかよい傾向ではある。おそらく実質的にはかなり玉石混合なのであろうが新興の芸能事務所が、大手によって独占されていた業界と市場に参入してゆくことで、様々な悪習の部分が改善されてゆくことが期待されるからだ。度重なる大手の巻き返しに耐えながらも新たに誕生した弱小勢力が次から次へと小さな攻勢をかけつつあるのが現状であろうか。どんなに小兵たちであっても束になって前進し続ければ、きっと山は動くであろう。

そうした新人たちの中にも、いくつか初年度から印象に残る活躍をしたグループはいた。その顔ぶれを、ここでチラッと紹介しておくことにする。

スピカ(Spica)は、1月に配信シングル“Potently”でデビューした、B2M Entertainmentに所属する五人組である。このグループの最大の特徴は、新人でありながらも全く新人らしくない雰囲気を最初から漂わせていたところにある。デビュー時にすでに相当の貫禄が備わっていたグループであったのだ。それもそのはずでスピカのメンバーは、カラ(KARA)やレインボー(Rainbow)のヴォーカル・トレーナーだったボア(Boa)、2NE1のメンバー候補であったボヒョン(Bohyung)、大人気オーディション番組「Superstar K」に参加していたナレ(Narae)、SS501のメンバーであるホ・ヨンセンのソロ楽曲にラッパーとして参加していたジュヒョン(Juhyun)、そして幻のガールズ・グループとして知られる五少女のメンバーであり、初期T-araのメンバーでもあったジウォン(Jiwon)という、これまで裏方など陽の当たらぬ場所で活動していたり大手事務所の注目の練習生として名を馳せていた驚くべき経歴をもつ五人であったのだから。スピカは、新人でありながら今回のデビューまでに、眩いスポット・ライトの中に立つ歌手になるという夢を諦めずに様々な苦労とトレーニングを重ねてきた、本物の鍛え上げられた実力派なのである。これからは、ブラウン・アイド・ガールズ(Brown Eyed Girls)の路線に準ずるような、魅せて聴かせる大人ドルとしての活躍に期待が高まるところである。

ハロー・ヴィーナス(Hello Venus)は、5月にミニ・アルバム“Venus”(プロモーション活動曲は、タイトル曲の“Venus”)でデビューした、Pledis EntertainmentとFantagio Entertainmentが共同でマネジメントを手がける六人組である。Pledis Entertainmentは、アフタースクール(Afterschool)やソン・ダンビ(Son Dambi)が所属する事務所として知られている。一方、Fantagio Entertainmentは、これまでには俳優・女優のマネジメントを中心に行ってきた事務所であった。この両事務所が、三名ずつのメンバーを出し合い相乗りする形で送り出したのがハロー・ヴィーナスである。これは、なかなかに実験的な試みである。Pledis Entertainmentに所属するユアラ(Yooara)、ユンジョ(Yoonjo)、ライム(Lime)の三名は、デビュー前の練習生時代にアフタースクールの楽曲にゲスト・シンガーやバック・ヴォーカルという形で参加していた経歴をもつ。07年に設立され今や中堅から大手へと着実に近づきつつあるPledis Entertainmentと新規参入組のFantagio Entertainmentが互いに手を組むという、このフレッシュな方法論には、大いに期待したいものがある。アフタースクールのクールでかっこいいイメージやそのグループ内グループであるオレンジ・キャラメル(Orange Caramel)の過剰にアイドル性を追求したキャラクターとはまたひと味違ったテイストが、ハロー・ヴィーナスというグループでは模索されてゆくことになるのではなかろうか。現在は、アフタースクールの妹分で、思いきりアイドル路線のエイ・ピンクあたりよりはもう少しお姉さんといった雰囲気をハロー・ヴィーナスからは感じ取ることが出来る。Pledis EntertainmentとFantagio Entertainmentが、いかに周到に戦略を立てて、これからのハロー・ヴィーナスの活動を軌道にのせてゆくのかが気になるところでもある。方向性に迷って迷走をはじめたり、何をやるにも中途半端であったりすると、マイナスの印象をもたれてしまう可能性は大きい。何とか無事に好調なまま初年度を乗り切れたからこそ、勝負の二年目はしっかりと確実に駒を進めてゆかなくてはならない。

EXIDは、2月にシングル“HOLLA”(プロモーション活動曲は“Whoz That Girl”)でデビューした、AB Entertainmentに所属する五人組である(デビュー時は六人組)。過去にT-araや4minute、シークレット(Secret)などの数々の大ヒット曲を手がけてきた作曲家兼プロデューサーの新沙洞の虎(Shinsadong Tiger)ことイ・ホヤン(Lee Hoyang)が総合プロデュースするグループとして、華々しく登場したEXID。実際に、楽曲から歌唱、そしてルックスに至るまで全般的に非常に高いレヴェルのグループであることは、そのデビュー曲“Whoz That Girl”での登場とともに十分に証明されていた。だがしかし、そのデビューの約二ヶ月後にはグループのメンバーの半数である三名が、学業への専念や女優業への転向などを理由に脱退してしまうことになる。新興の事務所であるAB Entertainmentが勝機とよんだ12年初頭のデビューが、少しばかり時期尚早であったということであろうか。ただし、当代のトップ・クラスの売れっ子プロデューサーには、これぐらいの障害では簡単に折れたりしない強さと勢いがあったようだ。約四ヶ月の立て直しの期間を挟んで、かつて2NBのメンバーとして活躍していた確かな歌唱力をもつソルジ(Solji)を含む二名の新メンバーを追加して、新生EXIDはミニ・アルバム“Hippity Hop”のリリースとともに見事にカムバックを果たしたのである。極めてポップなダンサブルで質の高い楽曲と革新的なまでの新しさ感じさせる最先端のサウンド・プロダクションで、AB Entertainmentと新沙洞の虎は、ひと頃の流れとは確実に変節しつつある韓国の芸能界・歌謡界に今こそ突入し次世代のKポップの潮流のフロント・ランナーへと食い込もうと猛烈な攻勢を仕掛けている。だが、スタート直後のアクシデントを物ともせずに、優良な作品とグループのもつ高いポテンシャルで軽々と乗り切ってしまったあたり、図らずもAB Entertainmentと新沙洞の虎の裏方としての裁量とプロダクションの能力が並みではないことを証明するよい事例になったともいえよう。新沙洞の虎と実に多才で多彩な五人組であるEXIDのコンビネーションには、これからも期待できそうである。

クレヨン・ポップ(Crayon Pop)は、6月に日本(大阪)で撮影した“Bing Bing”のMVの発表とともにデビューした、 Chrome Entertainmentに所属する五人組である。このグループの特徴的な点は、やはり何といっても先ずは日本での活動を開始させていたというところにある。そして、デビュー以降も日本と韓国での活動をほぼ並行させて行っている。韓国で成功してから日本に進出するのでもなく、韓国での活動よりも日本での活動を優先させるのでもなく、キャリアのスタートの時点からクレヨン・ポップは日本と韓国の両方でいつの日かトップ・アイドルとして輝くための地道な下積みを繰り広げているのだ。これは新興事務所のChrome Entertainmentが考案した、新しいKポップ・アイドルをまだ何もないところから売り出してゆくための戦略に則ったものなのであろうが、下積み的な活動も楽しんでこなしてしまう底抜けに明るいグループの五人のメンバーのキャラクターも相俟って、非常によくできたやり方だと思わせるものがある。クレヨン・ポップのことを知れば知るほどに、明るく可愛いクレヨン・ポップの五人を応援したくなってきてしまうのだ。これまで、韓国の歌謡界では、テレビの歌番組に出れるか出れないかという点が、プロモーション活動の成否を判定する大きな部分を占めていた。ただし、これは、基本的にデビューと同時にテレビの歌番組でのお披露目が決定していてヒットまでの道筋ができあがっている、大手の芸能事務所に所属するタレントを基準にした判断の仕方であったといえる。そして、それ以外の中堅・弱小事務所のタレントは、大手のタレントのリリース状況をあらかじめ把捉して、それらの合間の時期のテレビの歌番組の出演枠に空きができそうなところを出来るだけ狙って新作のリリースのスケジュールを設定していたのだ。だが、デビュー時から韓国での活動とともに日本での活動も並行して行っているクレヨン・ポップは、そうした韓国国内で加熱する小さなパイの奪い合いとは少しばかり距離を置いているようにも思われるのである。また、そのこまめにYouTubeにアップされる映像を通じて、ソウルの繁華街での路上パフォーマンスなど地道な活動を行っている姿を紹介する、あるがままのクレヨン・ポップを積極的にさらけ出してゆこうとする方法論は、日本の地下アイドルやロコドルが草の根的なファンの基盤を築いてゆくためにUstreamやニコニコ動画を効果的に用いて親密さを演出する手法を、巧みに取り入れているようにも思える。また、クレヨン・ポップのメンバーたちは、ツイッターでまだまだ不慣れな部分もある日本語で出来る限りつぶやいたりもする。これは、すでに日本からも多くのアカウントのフォロワーが存在しているからなのであろう。クレヨン・ポップとChrome Entertainmentは、これまでのKポップ・アイドルとは、どこか全く違った新しい方向性を見据えながら突き進んでいるようにも見える。そこが、この五人組のとても面白く親しみやすい部分を作り出してもいる。Chrome Entertainmentのような、まだ名前も実績もない新興の芸能事務所は、全く新しいプロモーションの戦略を果敢に実践することによって、Kポップのメインストリームに収まりきらない新たな潮流を生み出そうとしているのであろう。かなり固定化されてしまっている大手所属の勢力が鎮座する玉座の下の方で、沸々と何かが確実に動き出している。

12年にフレッシュな勢いを感じさせる活動を展開してくれたのは、新人グループだけではない。二年目の若手陣も、まだまだトップ・アイドルの高みへと這い上がろうとする攻めの姿勢を全く崩さずにいる。

エイ・ピンク(A Pink)は、元来の可愛らしさをさらに大いにアップさせて、正統派のアイドル路線においてはほぼ独走状態を形成しつつある。アイドルの形も多様化しつつある昨今、ここまでガーリーな側面だけを特化させた活動に徹することのできる品のよさを持ち合わせたグループは、なかなか他には出てこないのではなかろうか。そういう意味でも、エイ・ピンクは韓国のアイドル歌謡界において確固たる地位を築きつつある。これは、清純可憐なグループのコンセプトを揺るぎなく徹底させてきたA Cube Entertainmentによるプロモーション戦略の勝利でもあるのだろう。5月に待望のファースト・アルバム“Une Annee”をリリースし、ここからはレトロなディスコ・サウンドを取り入れた可愛らしいダンス・ポップ曲“Hush”をヒットさせている。この楽曲では、お花畑が似合う美少女集団というイメージを少しだけ延長・拡大させた、よりファッショナブルなお姉さんタイプの素敵女子に進化しつつあるエイ・ピンクの姿を見ることができる。ある意味では、こうした曲毎に少しずつ少女から女性へと成長してゆく過程を克明に見せてゆく形というのも、かつて少女時代が辿った路線を正統に継承しているといえるのではなかろうか。

ダル・シャーベット(Dal Shabet)は、1月に早くも四作目のミニ・アルバムとなる“Hit U”(プロモーション活動曲は、タイトル曲の“Hit U”)をリリースし、二年目の活動をスタートさせた。この楽曲は、ヘヴィなビートが利いた非常に攻撃的な曲調となっており、これまでのキュートで活発な六人組というイメージを払拭するような強く逞しい女性の表情を打ち出すものであった。こうした迫力のある楽曲でもダル・シャーベットはクールな魅力を十分に発揮し、新たなファン層を開拓してゆくことになる(女性ファンの増加)。しかし、新作を発表するたびに常にひと回り大きくなり、着実にステップ・アップしてきたダル・シャーベットであったが、“Hit U”での活動直後にリーダーであり最年長メンバーとして様々な面で中心的な役割を担ってきていたビキ(Viki)がソロ歌手に転向するため突然の脱退を表明する。この決断は、このグループが初めて経験する大きな危機のときとなったはずである。だが、そんなゴタゴタの中でも6月にはファースト・アルバムの“BANG BANG”がリリースされ、それと同時に“Mr. BangBang”でのプロモーション活動がスタートする。そして、この時点で、新メンバーとしてウヒ(Woohee)がグループに合流したのである。それまで核となっていたメンバーの脱退によって、グループの持ち味そのものが幾分か失われてしまうのではないかと周囲は深く危惧していたのだが、全ては杞憂におわった。新メンバーのウヒは、まさにダル・シャーベットという華やかで元気闊達なグループに、あらゆる面でぴったりとはまる逸材であったのである。いや、ウヒの加入によって、グループの明るさや華やかさはさらに増したといってもよいかも知れない。ひとつ前のシングル曲が、太く重く荒々しいサウンドの“Hit U”であったために、殊更そう感じられた部分もあったのかも知れないが。とにかく、ウヒというお嬢さんは、Kポップの界隈に最近はあまりいなかったような桁違いのアイドル性をもつ、愛らしい魅力に満ちあふれた、まるでアイドル歌手になるために生まれてきたような女の子なのである。デビュー時からグループを支えてきたリーダー、ビキの脱退は、やはり大きな損失ではあったのだが、全体的に見ればこのメンバー・チェンジが吉と出た部分も少なからずあったといえよう。まだ20歳と若々しいウヒが加入したことでグループの平均年齢も少しだけ若返り、間違いなく新人の頃のようなフレッシュさを取り戻すことにつながったはずであるのだから。

7月30日、T-araからのファヨン(Hwayoung)の脱退が、所属事務所のCore Contents Mediaより発表された。すると、その裁断にいたるまでのグループ内での人間関係など様々な憶測が乱れ飛び、ファヨンひとりだけをグループからの脱退と所属事務所からの契約解除にまで追い込んでしまったことに対し、批判的な意見が吹き荒れることとなる。そして、この猛烈な逆風によってT-araは失速し、12年の後半はなかなか思い通りの活動が韓国国内ではできなくなってしまった。
こうしてT-araが活動困難になってしまったことを受けて、テレビの歌番組の出演枠には少しばかりの空白が生ずることになる。この思いがけぬ事態を好機ととらえ僅かな間隙に飛び込もうと躍起になった新興の芸能事務所も多かったのではなかろうか。だが、このT-araの不在によってできてしまった穴は、まさにT-araのポジションを埋め合わせるに相応しい存在へと着実にステップ・アップしてきたダル・シャーベットにとっても、またとないチャンスであったのだ。11月にリリースした五作目のミニ・アルバム“Have, Don't Have”のタイトル曲“Have, Don't Have”は、かつて“Roly-Poly”などの楽曲でT-araが十八番としていたレトロ・ディスコ調のノリのよいダンス・ポップ路線を見事に踏襲した楽曲となっていた。完全にダル・シャーベットが、T-araのお株を奪ってしまうようなスタイルであったのだ。この“Have, Don't Have”は、新メンバーの加入によってフレッシュな勢いを増したダル・シャーベットが、ポストT-araのポジションへと一気に食い込み、次の大物アイドルの座を狙う位置へと浮上してきたことを強く印象づけるスマッシュ・ヒットとなったのである。

12年、最もKポップらしいKポップを展開してくれていたのは、サニーヒル(Sunny Hill)であろう。サニーヒルのデビューは、07年のことであるから、すでにかなりのキャリアをもつグループである。デビュー当初は男性一名と女性二名の混成トリオ編成であったが、10年にコタ(Kota)と11年にミソン(Misung)が新たに加わり、11年の夏以降は変則的な五人組となっている。今年は1月にシングル“The Grasshoppers”をリリースし、そのタイトル曲“The Grasshoppers Song”でプロモーション活動を行った。自然に体が反応してしまうようなノリのよいダンス・サウンドと耳にこびりつく奇抜なメロディ、そして楽しい歌詞/歌い回しが特徴的なこの楽曲は、イソップ童話「アリとキリギリス」をモチーフとしたMVの風刺の効いた完成度とともに、非常に高い評価を受けることになる。しかし、この楽曲のプロモーション活動中にリーダーのチャンヒョン(Janghyun)が兵役に就いたために、グループの活動からの離脱を余儀なくされてしまう。そして、その後の4月にリリースした配信シングル“Is The White Horse Coming?”からは女性四人組のグループとして再スタートすることになる。こちらのフォロー・アップ曲も、とてもアグレッシヴな勢いのあるファンキーなダンス・ナンバーとなっており、新生サニーヒルの気っぷのよい魅力を最大限に発揮することに成功していた。サニーヒルは楽曲そのものもMVもライヴでのパフォーマンスも常におもしろく、見る者や聴く者を楽しませる娯楽性を打ち出すことに対して十二分に意識を払っている。その活動姿勢は、アイドル・グループというよりも、まさにひとつのエンターテインメント集団といったほうがしっくりくるかも知れない。変わらずに質の高い作品を仕上げ続けるサニーヒルは、可愛いや楽しいだけになりがちなアイドル・ポップスの世界において、よきスパイスとなっているといえるだろう。その非常に高い音楽性とそれを易々とこなせるだけの実力に裏打ちされたポップスとしての王道感や安定感は、周囲へのよき刺激にもなってゆくはずである。サニーヒルのちょっとした異質さも兼ね備えた突出した深みのある楽曲・作品は、安易な作りの即席ポップスとは対極にあるものとして今後も注目してゆきたいところである。

そして、やっぱり12年も少女時代は、いかにも少女時代らしく最高に素晴らしく輝かしい活躍をしてくれた。6月に日本でリリースした“Paparazzi”が、現時点におけるKポップの最先端を走っているのが少女時代であることを見事に証明するような一曲であったことは、まさに象徴的であった。少女時代は、このシングルのリリースの時点で12年のKポップを完全に手中に収めてしまったといってもよい。それぐらいに、この楽曲は衝撃的なものであった(パッと聴いた感じだけでは、なかなか分かりづらいのだが)。何はともあれ、そのサウンドの迫力と整合感がちょっと他とは違うのである。レコーディングやサウンド・プロダクションの技術が発達した現在であれば、いくらでも音圧のある太い音で空間をベッタリと埋め尽くすことはできるのだろう。ただし、むちゃくちゃに厚く隙間のない音であれば誰にでも簡単に作ることは可能であるのかも知れないが、それを緻密に加工・編集して臨場感と迫力のある全く違う次元のサウンドを工作してゆく技術というのは、やはりまだまだポップ音楽の本当の最先端の作り手のみに限られたものなのである。そんな世界の音楽の流れをリードする新しい音響が、今では欧米の最先端ポップスの動きと全くの同時進行でKポップの世界でも展開されているのだ。この“Paparazzi”のサウンドの完成度は世界レヴェルであり、同時にダンス・ポップとしての楽曲そのものの質も非常に高い。新沙洞の虎が手がける新人グループ、EXIDあたりも斬新なサウンドの質の高い楽曲をリリースし、若さと勢いで猛烈な突き上げをみせているが、こうしたグループと比較しても少女時代の実績は桁違いであり、最近では可愛らしさに風格や貫禄まで備わりつつある。地上に降り立った九人の天地たちは、まだまだ後発の者たちに全く負けそうな気配を感じさせることがない。現行のKポップにおける最高峰のクオリティを、まざまざと余裕綽々の表情と佇まいで見せつける。それが、“Paparazzi”という楽曲であった。やはり少女時代は、時代の先頭を猛烈なスピードでひた走り続けている。トップ・スターの座は、誰の手にも譲る気はなさそうである。

New Korean Music 2012は、12年の3月からスタートした241FMの番組「K-POPかけ込み寺」で放送した曲を中心に(基本的に)作成したリストとなっている。放送で紹介した多くの楽曲の中から、特に印象に残ったものを選び出してみた。New Korean Musicとは、10月に刊行された最新韓国音楽のガイドブック『New Korean Music Guidance』のタイトルに用いられ、ある程度一般的にも使用されるようになった比較的新しい用語である。New Korean Musicとは何か、どんなジャンルの音楽なのかというところに関しては、これといった決まった定義はない。まさに、読んで字のごとし。新しい韓国音楽であれば、それは全てNew Korean Musicなのである。個人的には、今のところ、KポップやKインディなどに聴くことのできる興味深い音楽を総称する用語として、実に使い勝手のよい言葉であるので用いさせてもらっている。もしも、これが現在の認識やニュアンスと少し異なった形で広まってゆくようであれば、使用そのものをやめるか、使い方を変更してゆくことも考えなくてはならないであろう。このリストには、どちらかというと、Kポップのど真ん中というよりは、その周縁や、インディ系の音楽ばかりが選出されている。これは、やはり現在の韓国音楽においても新しさというものは常に中心の外側にありがちだということなのだと思われる。華やかなりしオーヴァーグラウンドのKポップにも新しさやおもしろさは、間違いなくある。しかし、それらとは明らかに異質な要素をもつおもしろいものが、その周縁の動きから感じられることも確かなのである。ギター・ロック、ネオ・アコースティック、フォーク、ポップ・パンク、エレクトロニック・ポップ、クラブ・ダンスなどなど。ひとくちにインディ系とはいっても、音の傾向としてはバンドだったり弾き語りだったり打ち込みだったりと実に幅広い。こうしたヴァラエティの広さは、そこに素晴らしく豊かなインディ・シーンがあることの証左でもあるのだろう。独創性に溢れる、独創的な活動を行っているアーティストが、韓国のアンダーグラウンドにはうようよしている。そうしたバンドやアーティストの作品の一端を、主にここではNew Korean Musicとして紹介している。
エレクトリック・イールズ(Electric Eels)、ハミング・アーバン・ステレオ(Humming Urban Stereo) 、ルック&リッスン(Look And Listen)、グレン・チェック(Glen Check)、バスカー・バスカー(Busker Busker)、プライマリー(Primary)、10cmといった面々は、12年にアルバムをリリースしている。そして、マングース(Mongoose)、ネオン・バニー(Neon Bunny)、スメルズ(Smells)たちは、EPやミニ・アルバムをリリースしている。いずれも質の高い作品ばかりであった。ここには、そのアルバムやミニ・アルバムの収録曲からやむなく一曲のみを抜き出して選曲してある。それはつまり、ここに選ばれた曲以外にも、彼らの作品には素晴らしい楽曲が多数収録されているということである。もしも、気になるバンドやアーティストがいたら、是非とも作品をチェックしてもらいたい。
ここに選ばれているムキムキマンマンス(MukimukiManmansu)の“Andromeda”は、アルバム・リリースの後に開催されたリミックス・コンテストに参加したヨハン・エレクトリック・バッハ(Johann Electric Bach)による、アンセム・スタイルのオールドスクール・トランス・ハウス調にリミックスされたスペシャル・ヴァージョンである。
また、Kポップのメインストリームで活躍するStarship Entertainment所属の四人組ガールズ・グループ、シスター(Sistar)が、6月にリリースした夏仕様のスペシャル・ミニ・アルバム“Loving U”は、様々な意味で注目しておきたい作品である。ここには、注目のプロデューサー・ティーム、ダブル・サイドキック(Double Sidekick)が手がけた“Loving U”と“Holiday”という二曲の新曲と、シスターの過去のヒット曲五曲の新たなリミックス・ヴァージョンが収録されていた。そして、そのリミックスを手がけていたのが、Smells、デミキャット(Demicat)、DJ・ルバート(DJ Rubato)といった、アンダーグラウンドのエレクトロニック音楽シーンやクラブ・シーンで活躍している知る人ぞ知るクリエイターたちであったのだ。シスターのような人気のアイドル・グループが、新しいサウンドを求めて若き才能を積極的に登用する動きには非常に興味深いものがある。こうした見えない壁を取り払った直の交流が、今後もどんどん行われてゆくことを期待する。
正統派のアコースティック・デュオ、10cmが、10月にリリースしたセカンド・アルバム“2.0”に収録されていたのが“Han River Farewell”(漢江の別れ)である。この物悲しいアコーディオンの音色と哀感に満ちたメロディ・ラインが胸にしみる名曲は、おそらく12年の韓国音楽を代表する一曲といえるであろう。漢江に架かる大きな橋から身投げをする若者が後を絶たないという厳しい競争原理の下にある社会状況が、この楽曲の背景としてあることを思いながら聴くと、本当に痛いくらいに胸が締め付けられる。10cmの“Han River Farewell”は、これからも末永く聴かれて続けてゆくに違いない。そして、この切なくも美しいメロディに触れて、自死の決断を思いとどまる若者が一人でも増えてくれることを願わずにはいられない。

そして、「K-POPかけ込み寺」が選ぶ12年のNew Korean Music大賞は、U-Amiの“Mascara”に決定した。U-Amiは、プロデューサーのヨミダス(Yomidas)に見出された秘蔵っ子シンガーである。しかし、それ以外の彼女の素姓に関することは、ほとんど分かっていない。かなり謎に包まれた存在なのである。そして、作品のリリース量もあまり多いとはいえない。それでも、打席に立てば、いつだって特大のホームランを放ってくる。すさまじくユニークでメインストリームのKポップのトレンドとは思いきり一線を画した音が、独創的すぎる楽曲の世界を現出させ結晶しているのだ。U-Amiの歌唱も、実に艶やかで味があるものである。“Mascara”は、その演歌と歌謡曲とトランス・ダンスが入り混じったような猛烈なスタイルの真骨頂ともいえるような楽曲となっている。ゆったりとした不思議なムードの曲調で滑り出し、途中で一気にテンポアップして、そのままクールに疾走し続け、エンディングが近づいてくると元のゆるやかさに戻ってゆく。この展開はヨミダスとU-Amiの十八番でもある。“Mascara”でのU-Amiの歌声は、ちょっと神懸かったような響きすらもっている。その全体的にミステリアスな曲調も、この密室的でありながらもとてつもない奥深さをもった楽曲の大きな魅力である。“Mascara”は、聴く者をグイグイと得体の知れない境地へと引きずり込んでゆく、ちょっと言語の域を越えたような奇跡の一曲なのだ。13年にヨミダスとU-Amiが、これを越える作品を生み出すことができたら、それは本当にとんでもないところまで行ってしまった楽曲になりそうな気もする。大いに期待したい。

以上、12年のKポップ(とその周辺)をザッと振り返ってみての私感でした。たぶん、うっかり忘れてしまって、すっぽりと抜け落ちてしまっているものも多々あると思われます。もし、何か重大な作品が抜けてしまっていることに気づかれたら、こっそり教えてください。よろしくお願いします。(13年)

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