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<<   作成日時 : 2011/12/25 03:00   >>

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20 K-POP Greats 2011

Davichi - Love Delight
2NE1 - 2nd Mini Album
Rainbow - SO女
Girl's Day - Everyday
T-ara - John Travolta Wanna Be
A Pink - Seven Springs of APink
Dal Shabet - Pink Rocket
Orange Caramel - Shanghai Romance
Gyuri (KARA) & Cho Hyun Young (Rainbow) - Indecisive
Dia with PD Blue - Me To You, You To Me
Kan Mi Youn - Obsession
Nine Muses - Figaro
Iny - Do You Have A Dream
JQT - PeeKaBoo
Kim Wan Sun - Super Lover
Han Groo - Groo One
Nuol, Beenzino, Dead P, Swings, San-E, Verbal Jint, L.E.O, Baby Bu, Dawn - Stand Up, Japan
YB - Blue Whale
C-Real - Round 1
Kahi - The First Mini Album

Best Album

KARA - Super Girl
Wonder Girls - Wonder World
SNSD - The Boys
IU - Last Fantasy
f(x) - Pinocchio
Miss A - A Class
Sistar - So Cool
Neon Bunny - Seoulight
Brown Eyed Girls - Sixth Sense
Secret - Moving In Secret

The Other Side of 20 K-POP Greats 2011

Hyorin (Sistar) - You Are The One For Me
Dia & Winter Garden - Four Seasons Garden
Kan Mi Youn - Good Love
Taru - Better Together
Girl's Day - New Trial
Luanne - Like That (Feat. Blueade)
Jeon Sung Cheo - Baby I Love You
Shin Goeun - Love Pop
Lady Jane - Jane, Another Jane
Koo Ji Sung - Bad Guy
HeORa - Love Love Love
Jane - Camping Boy
Rhyme-A - When I Feel Alone
Hyomin (T-ara) & Brave Brothers - Beautiful Girl
Women Power - Hate You, Hate You
GP Basic - Jelly Pop
Joo & Leeteuk (Super Junior) - Ice Cream
TwiNy - Flutter
Chi Chi - Don't Play Around
Lee Ji Hye - Rocket Power


11年のベスト作品を選びはじめて、すぐにあることに思い当たった。おそらく、この調子では、ベストの20作品をチョイスするなんてことは不可能に近いであろうと。とりあえず、ここ最近のK-POPの隆盛を考慮してベストの10曲ではなく、少し枠を広げて20作品まで選出できるようにしてはあったのだが、それでも到底追いつきそうにない。ベスト作成のため候補作を軽く挙げていっただけで、瞬く間にリストが長大なものになってしまったのである。そして、即座にベスト20を選び出すこともあきらめることにした。膨大なリストをベスト20へと絞り込んでゆくことは、相当に至難の業であるに間違いなさそうであったから。そんなことで下手にあれこれ思い悩むよりは、何かほかの解決策を考えた方が断然早そうであった。

そこで、何らかの方策を練るためにリストを少しばかり整理してみたところ、とりあえずアルバム作品だけでひとつのカテゴリーに分けられそうなことに気がついた。そこで、まずはアルバムのリストを独立させることにした。それだけ、11年は素晴らしいアルバムが多かったのである。まさに、豊作であった。ただし、そのアルバムの量に決して劣らぬほどにミニ・アルバムや配信のみでリリースされたシングル曲なども驚くほどに多かったのだが。いまだフル・アルバムのリリースにまで至っていない多くの若手〜中堅のグループやアーティストが、わんさとひしめいている現状にあっては、こうした小粒な作品で溢れかえってしまうのも、必定といえば必定か。実際、多くの素晴らしいアルバムがリリースされたのだが、コンスタントにヒット曲を放ちアルバム作品のリリースにまで漕ぎ着けられているのは、ほんの一握りのグループやアーティストのみなのだ。
11年のアルバム・リリースの傾向としては、ここ数年間に大活躍をしてきたK-POPのブームの立役者であるガールズ・グループの初めてのアルバムが多くリリースされたことが挙げられる。アフタースクール(After School)、f(x)、シークレット(Secret)、ミス・A(Miss A)、シスター(Sistar)などのアルバムが、これに該当する。ただ、韓国の歌謡界においては、これからますますアルバムというものが、そう簡単に出せるものではなくなってゆくのかも知れない。通常のマキシ・シングル的な扱いで発表されるミニ・アルバムや単発の配信限定曲を中心に、ヒットを狙って次々と勝負を賭けてゆく形式が、今後さらに本流となってゆきそうな予兆はすでにある。デビューから立て続けに三作のミニ・アルバムをリリースしてヒットを放ったダル・シャーベット(Dal Shabet)などは、そうした動きの最たるものである。そして、ベスト作品を選出するために出来上がってしまった、アルバム作品を除外した後の長大なリストもまた、きっとそうした流れを反映したものであるのであるに違いない。

一応、リストからアルバム作品とそうでないものを選り分けてみたのだが、やはりまだまだそこには20まで絞り込むのは相当に難義そうな膨大な数の作品が並んでいた。そこで、もう一度そのリストからベストの20作品を選び出すことをキッパリとあきらめることにした。とりあえず、絞り込みを断念したからには方向性を大幅に変更して、リストの内部で作品を二種類に分類してゆく作業を進めてみた。そして、その作業を通じて二種類のベスト20が、徐々に形をなしてきたのである。結局、最終的には、ベスト・アルバムと、ふたつのベスト20で、合計三編五十点のベスト選が完成することになってしまった。

ここで、ふたつのベスト20について、少しばかり説明しておきたい。簡単に言ってしまえば、これらは表のベストと裏のベストということになる。どちらもベストであることに違いはないが、少しだけその分類の仕方によって性質の違ったベストとなっている。表のベストは、大ヒットし話題になった作品、ならびに11年の韓国音楽を考える上で大きな意味のある所謂K-POPシーンを象徴する作品を中心にまとめてある。一部に、一般的にはそのどちらでもないと思われる(であろう)作品も混じってはいるが、そのあたりは全くの個人的な好みの表れであり、純粋に11年に愛聴した極めて愛着のある作品なのだと考えていただきたい。そして、裏のベストには、あまり大きな話題にはならなかったかも知れないが個人的には大変意義深いと感じている作品や、単純にノリがよく気に入っている作品などが重点的にまとめてある。形式的に裏ベストという括りにはなっているが、これらの作品の素晴らしさは、表のベストの作品と比較しても全く引けをとらないものである。大ヒットして話題になっているものだけが面白いK-POP作品だということは決してない。次々と刺激的なヒット曲が誕生するメイン・ストリームの周縁にも素晴らしい作品が数多く存在していることのほんの一端を、この裏のベストで少しでもお伝えできたらと考えていたりもする。ただし、面白いものを本気で網羅しようとしたら、こんな表の裏のベスト程度の量では到底追いつかないことは言うまでもない。

表のベストは、ご覧の通りお馴染みのグループやアーティストたちがズラリと並んでいる。ガールズ・デイ(Girl's Day)、レインボー(Rainbow)、2NE1、T-ara、ダヴィチ(Davichi)、オレンジ・キャラメル(Orange Caramel)といった顔ぶれによる作品は、全て11年のK-POPシーンを代表するヒット曲を生み出した重要作品である。そして、非常に多くの新人グループ/アーティストがデビューした11年の動きを反映するかのように、このベスト20にも、エイ・ピンク(A Pink)、ダル・シャーベット、C-Real、ハン・グル(Han Groo)、Inyといった、非常にフレッシュな顔ぶれが多数含まれている。なお、この新人の選出に関しては、今後の活躍に期待したい気持ちが多少込められていることは敢えて否定はしない。しかし、K-POPの未来を考えれば、有望な若手たちのさらなる成長は絶対に必要不可欠なことである。ここに挙げた新人や若手のアーティストたちには、そんなK-POPの明るい未来を感じさせてくれるような何かが確実に備わってもいる。やや個人的な強い思い入れも入りすぎているかも知れないが、11年はヴェテランやヒット常連組のみならず新人たちの作品に関しても思いきり豊作な年であったのだ。
画像そして、ここには11年という特別な年だからこそ生み出された、非常に忘れがたい作品も含まれている。それが、ニュオル(Nuol)やビーンジーノ(Beenzino)といったヒップホップ系のアーティストが大挙して参加した、シングル“Stand Up, Japan!”である。3月11日に起きた東日本大震災の救援活動を支援するためのチャリティ・シングルとして、4月5日に配信のみで急遽リリースされた作品だ。このシングルの売り上げの全収益は義捐金として寄附されたということだが、やはり何よりもニュース報道などを通じて甚大な津波被害の映像に接し、直ぐさまこうして多くのアーティストたちが直接的な行動を起こしてくれたことが非常に嬉しい。実際の楽曲のサウンドも、真正面から被災者や被災地を力づけ勇気づけるような一刻を争う緊迫感と、日本の人々の心情に出来る限り寄り添おうという情感が、ゴツゴツと入り混じったものとなっている。そして、スウィングス(Swings)やサニー(San-E)などの豪華な参加ラッパーたちのフリースタイルなライミングも、実に生々しく極めてリアルなものである。この海を越えて朝鮮半島にまで伝わった悲愴な空気感こそが、あの震災直後のわたしたちの内面にあったものをまざまざと物語ってくれているかのようでもある。この“Stand Up, Japan!”を聴くたびに、あの当時のことがはっきりと思い起こされる。さあ、今こそ立ち上がれ、日本。

ベスト・アルバムに関しては、ほぼ順当なところなのではなかろうか。11年に発表されたK-POPガールズ・グループの重要な作品は、全てここに網羅されているといってよい。惜しくも選から洩れてしまったのは、アフタースクールのファースト・アルバム“Virgin”ぐらいのものではなかろうか。実に惜しいことであるが、これが選外となってしまったのは、本当にギリギリのところで途轍もなく素晴らしい作品が滑り込んできたことによるものである。
そのアフタースクールを押し退けてしまった作品が、11月29日に発表されたIUの約二年半ぶりのセカンド・アルバム“Last Fantasy”である。このアルバムは、間違いなく韓国のポピュラー音楽史に残る一枚となるであろう。純粋にポップスのアルバムとしても、極めて完成度が高い。まさに、またひとつ大人の階段を上ったIUが、その才気を炸裂させた凄まじい一作となっているのである。これだけの快作を前にしては、さしものアフタースクールとしても、その場所を譲らざるを得なかったというわけだ。

KARAと少女時代に関しては、どちらのグループも11年に日本と韓国の両方でアルバムをリリースしており、それぞれそのうちの一枚のみをベストに選出した。いずれも二作品ともにベスト選に入っていても決しておかしくはない出来映えではあったのだが、ここで両グループの複数作品がエントリーしてしまうと、ベスト10のうちの四割がKARAと少女時代で独占されてしまうことになるので、ひとまずどちらかひとつに絞り込んである。

KARAは、9月6日に韓国で三作目のアルバム“Step”をリリースし、11月23日に日本での二作目のアルバムとなる“Super Girl”をリリースしている。11年のベスト・アルバムには、日本盤のアルバムの方を選出した。“Jet Coaster Love”、“Winter Magic”、“Go Go Summer!”というヒット・シングル曲の三連発で始まるこの“Super Girl”は、ポップ・ミュージックのアルバムとして、ほぼ完璧といってよいほどに充実した内容の作品に仕上がっている。終盤の詰めが少し甘い(序盤の濃密さと比較すると)くらいで、中盤あたりまではこの調子でいくと本当にとんでもない作品になるのではないかと、逆に心配になってきてしまうほどである(ただし、初回限定盤には“Mister”、“Jumping”、“Step”といった強力なボーナス・トラックが収録されており、最終盤まで極めて充実した内容のアルバムとなっている)。兎にも角にも、“Super Girl”は、今どき珍しいほどにストレートな歌謡曲を歌うガールズ・アイドル・グループとしてのKARAの魅力が目一杯に詰まったアルバムなのである。この独特の少々下世話すぎるほどに大衆歌謡的な味わいは、大物アイドル・グループとしてクールでスタイリッシュな側面も追求した、どちらかというと今風のK-POPのトレンドに近い様式の“Step”では、それほどどっぷりと堪能できないものであったりするのである。そうした意味では、この“Super Girl”とは、11年に制作された日本盤アルバムだからこそ聴くことのできた、大変に貴重な作品集であったのかも知れない。

少女時代は、6月1日に日本でのデビュー・アルバム“Girls' Generation”をリリースし、10月19日には韓国で通算三作目のアルバム“The Boys”をリリースしている。このうちベスト・アルバムには、韓国盤のアルバムを選出した。あまりにも全体的にクールでスタイリッシュな側面を強く打ち出しすぎている印象のあった“Girls' Generation”に対し、やはり少女時代のデビュー時からの大きな持ち味である少女的な可愛らしさを変わらずに感じ取れる楽曲が、“The Boys”においては比較的多めに聴くことができたのが、その選考の理由となる。どうしても“The Boys”というと、冒頭のテディ・ライリー(Teddy Riley)によってプロデュースされたタイトル曲にしてシングル曲に注目が集まりがちであるが、本来の少女時代らしさは、この少々異色な1曲目以降の流れにおいてこそ聴くことができる。現在はダル・シャーベットの専属プロデューサーとなっているE-Tribeによる作品は残念ながら見当たらないが、ケンジ(Kenzie)、ヒッチハイカー(Hitchhiker)、ファン・ソンジェ(Hwang Seong Je)といったお馴染みの作曲家陣による楽曲の数々は、きっちりとした安定感を誇っておりアルバムの流れをグッと引き締めている。どうしても、強く逞しい成長した大人の女性の面ばかりが強調され、本来の少女(時代)らしさが薄まってきてしまっているのが、昨年の“Run Devil Run”あたりからの活動の流れではある。それを自然な人間的な成長の軌跡なのだと捉える向きもあろうが、やはりあの過剰なほどのブリブリ感がむざむざと失われていってしまうのは非常に悲しい。それに、大人の可愛い女性が演ずるかわい子ぶりっこというものも、決して一概に悪いものでもないだろう。少女時代には、そのグループ名の通りに、いつまでもブリブリでキャピキャピな路線を厚かましく維持していってもらいたいものである。

画像そして、このベスト・アルバムには、韓国のインディ・シーンからも一作品が選出されている。それが、ネオン・バニー(Neon Bunny)の“Seoulight”である。このアルバムは、11年の韓国インディ・シーンの充実を代表する一枚というだけでなく、純粋にポップ・ミュージックのアルバムとしても非常に高い水準に達している作品である。よって、文句なしにここに選出されるに至った。そして、11年にはインディ・シーンとK-POPのシーンが、徐々に接近しつつあることを確かに感じ取れる動きも目についた。4月20日にリリースされたf(x)の待望のファースト・アルバム“Pinocchio”に収録されていた楽曲“Stand Up!”が、インディ・シーンから登場したポップ・ユニット、ペッパートーンズ(Peppertones)によって提供されたものであることは、ひとつの象徴的なトピックでもあった。今後、未来のK-POPシーンを面白くしてゆく先鋭的なサウンド・クリエイターが、アンダーグラウンドなインディ・シーンやクラブ・シーンから次々と登場してくることは大いに予想され得ることである。注目して見てゆきたい。

裏のベストは、ご覧の通りのライン・アップである。シスターのヒョリン(Hyorin)のソロ曲やT-araのヒョミン(Hyomin)とブレイヴ・ブラザース(Brave Brothers)のコラボレーション曲などの一部の人気アイドルの作品を除けば、ほとんどがあまり広く知られてはいない比較的マイナーなアーティストばかりという印象を受けるかも知れない。ただ、この裏のベストに関しては、最初から知名度の高さやヒットしたか否かという部分は完全に度外視して選考をしたので、このような結果となったのも、まあ当然の帰結ではある。ここで選考の基準となっているのは、純粋に楽曲のよさや楽曲としての面白さである。そして、それ以前に個人的な歌い手としての好みという点で大きく振り分けがなされていることは、まあ言うまでもない(これは、女性アイドル/女性歌手/女性アーティストが中心の全体的な傾向からも明白であるだろう)。ある意味では、個人的にとても気に入っている広く知られてはいない歌手や楽曲を紹介するために、この裏のベストがあるようなものだともいえなくはない。

ここで上位に名を連ねているヒョリンとディア(Dia)に関しては、やはり何といってもその桁違いの歌唱力に完全にノック・アウトされた。まさに本格派の確かな歌唱力(日本的な俗っぽい言い方でいうと歌力(ウタヂカラ)であろうか)というものを、これらの作品では聴くことができる。
ヒョリンのソロ楽曲“You Are The One For Me(Who You Are To Me)”は、人気ドラマ「Man Of Honor」のサウンドトラック用に制作された壮大なピアノ・バラード曲である。普段、シスターの一員として歌っているブレイヴ・ブラザース作のダンス・ポップ曲ではなかなか表に出てくることのない、ヒョリンのバラッディアとしての資質を思いきり前面に押し出した素晴らしい歌唱が、まるで渦を巻くかようにグワングワンと炸裂する一曲だ。まあ、デビュー時から分かっていたことであるが、この人は本当に驚くほどに歌がうまい。聴く者をぐいぐいと引き込むようなツボを押さえた情感の込め方などには、もはや職人芸的なものすら感じ取れたりもする。間違いなく、世界レヴェルで活躍できる逸材である。おそらく、今の日本の若手女性シンガーにヒョリンに太刀打ちできるような猛者はひとりとしていないであろう。

そして、そこに続くディアもまた、K-POPシーン(の一隅)で活躍する若き実力派シンガーのうちのひとりである。09年に女子高生シンガーとしてデビューしたディアは、現在最もメジャーな活躍が望まれている注目のタレントである(学業との両立のために、芸能活動/歌手活動だけに専念はしていない)。もしも、現在ブレイク中のIUに比類する同じ10代の本格派を挙げるとするならば、その筆頭は間違いなくこのディアであろう。すでに10年11月にファースト・アルバム“My Story”を発表しているが、その後も着実に歌手としての成長を遂げてきている。11年に発表した数々の作品でも、様々なスタイルの歌唱で、その才能の煌めきをまざまざと見せつけてくれた。その楽曲のうちのひとつは、表のベストにも選出されている。それが、ディア・ウィズ・PDブルー(Dia with PD Blue)としてリリースした“Me To You, You To Me”である。
画像ディア・ウィズ・PDブルーは、これまでに多くのヒット曲を手がけてきた人気作曲家、イ・ジュファン(Lee JooHwan)とのコラボレーション・ユニットである。11年に活動を開始し、この“Me To You, You To Me”が二作目のシングルとなる。そして、この楽曲は、03年に公開された映画「Love Story」のサウンドトラックに収録されてリヴァイヴァル・ヒットした、フォーク・トリオ、自転車に乗った風景の代表曲のリメイク作ともなっている。どこか70年代の韓国フォークの黄金期を彷彿とさせる優しくノスタルジックな香りのする名曲を、PDブルーが、オリジナルに忠実なフォーク・ロック的なサウンドにラップ・ヴォーカルをフィーチュアした、真摯に楽曲そのものをアップ・デイトさせたカヴァー・ヴァージョンに仕上げている。また、本来のソロとしての楽曲ではR&Bやポップなダンス曲を歌うことの多かったディアが、このオーソドックスすぎるほどにオーソドックスな韓国フォーク・スタイルのメロディを歌うことで、これまでにはなかったような新鮮味が感じられた部分も大いにあった。その透明感のある伸びやかな歌唱は、自転車に乗った風景の名曲に、新たな息吹を吹き込み再生させているようですらある。
そして、裏のベストには、二人組のポップ・ユニット、ウィンター・ガーデン(Winter Garden)とのコラボレーション作品となる“Four Seasons Garden”が選出されている。ここに収録された楽曲“Spring”に、ディアはヴォーカリストとしてフィーチュアされている。こちらもジワジワとこみ上げてくるタイプの落ち着いたAORバラード調の楽曲となっており、ある意味では自転車に乗った風景のカヴァーに挑むよりも以前の段階で、よりヴァーサタイルな歌手としての新たな境地を開拓するような作品ともなっていた。しかも、この“Spring”という楽曲もまた、かなりの名曲であり、ディアもその楽曲のクオリティに負けず劣らずの名唱で、見事なまでにこれに応戦してみせている。この作品自体、あまり広くは知られていないのだが、これは、このまま隠れた名曲としてしまうには実に惜しいとしか言い様のないような一曲なのである。
11年は、コラボレーション・ワークや客演などの他流試合を中心に、徐々にその活動の幅を広げつつある印象を残したディア。また、その活動の幅の広がりはK-POPのフィールドだけにとどまらず、ソウル・ポップ・オーケストラ(Seoul Pop Orchestra)の一員として参加した海外公演では、7月の末から8月の頭にかけて来日も果たしている。実際、かなりの本格派のシンガーであるディアが、今後も継続的にK-POPに近いフィールドでの活動を続けてゆくのかどうかは、今はまだちょっと未知数である。ただ、その類い稀なる歌手としての才能には、相当に高い可能性が秘められていることは確かであろう。豊かな音楽的素養やディーヴァ感満点の歌唱スタイル、そしてそのルックス的な相似から、ディアは、2NE1のパク・ボム(Park Bom)と比較されることが非常に多い。おそらく、本人も、そのあたりはかなり意識しているのではなかろうか。このIU世代のパク・ボムが、現在の知る人ぞ知る逸材から押しも押されぬトップ・スター/トップ・シンガーのひとりとして広く認知される日が、そう遠くはない未来に訪れることを心より願うばかりである。12年には、その素晴らしい歌唱をじっくりと堪能できる新たなソロ・アルバムのリリースがあるとよいのだが。楽しみにして待ちたい。

最後に、いくつか惜しくも選外となってしまったものなどを少しだけ簡単に紹介しておきたい。

まず、インディ系のアコースティック作品に良質のアルバムが立て続けてリリースされたことは、11年の韓国音楽においてひとつの大きな動きであったといえる。10cmの“1.0”、屋上月光(Dalmoon)の“28”、スギョン(Soo Kyoung)の“分割”、ハチ&エリ(Hachi & Aeri)の“Flower Bearing”など、本当に素晴らしい出来映えのアルバムが相次いだ。このソフトなムードのコリアン・ニュー・フォーク〜カフェ系アコースティック・サウンドの動きが、このまましばらく継続してゆくのか、それとも何らかの反動が押し寄せてくるのか、しばらく注目してゆきたいところである。

また、元ザ・メロディ(The Melody)のヴォーカリストでありインディ・シーンのアイドル的存在である、タル(Taru)もまた、素晴らしく音楽的成熟度の高い約二年ぶりのソロ・アルバム“100 Percent Reality”を発表した。これまでのダンス・サウンドなども取り入れたポップ・ロック路線の作品の音楽性と比較すると、一聴して非常に地味な印象の作品ではある。しかし、その地味さこそは聴き込むほどに味わいが増してくるような、とても深みのあるアルバムとなっていることの証しでもある。しっとりと落ち着いた歌と渋めのバンド・サウンドの奥底に、非常に多くのものが込められているのである。そのタイトル通りに、まさに等身大の素のままの歌の世界が展開される点も実に好感がもてる。キュートなインディ・シーンのアイドルが、一皮むけてインディ・シーンの女王へとさらに大きく成長を遂げつつある過程を、そこには聴くことができる。
画像また、裏のベストに選出されているタルの“Better Together”は、09年に発表されていた単発シングル曲の再発である。5月4日にリリースされた、このライト・タッチのエレクトロニック・ポップ曲は、ちょうど大震災直後の暗くなりがちであった気分に一条の明るく朗らかな光を投げかけてくれた。なぜ、この楽曲が、新しいアルバムがリリースされる直前という極めて中途半端な時期(この“Better Together”はアルバム収録曲ではない)に再発されることになったのかは、全く定かではない。しかしながら、個人的にはこれは絶妙なまでにタイムリーな再発曲のように感じられた。

そして、聴いて思わず震えてしまったのが、11月9日にリリースされたコミ(Gummy)の日本デビュー作“Loveless”である。この日本語版“Loveless”は、かなりグッとくるものとなっている。オリジナルの韓国語版を遥かに凌駕するミニ・ベスト曲集的な凄まじく濃い内容の一枚なのである。もしも間違って失恋の傷が癒えていない時などに聴いてしまったら、大号泣は必至であろう。こんなにも震えさせられるバラード作品は、そうそうない。特に、終盤の“忘れてほしい”から“きれいなあなた”への流れは、まさに猛烈だ。これを聴いて、何も感じないような人がいたら、その人は完全な不感症である。ノー・ダウト。

来年もまた、ベスト20が選べなくなるくらいに素晴らしい作品が数多くリリースされることを、心より願います。(11年)

追記
基本的に作品の評価は(単発のプロモーション・シングル曲を除いて)楽曲ごとではなく、作品全体を評価の対象としている。よって、EP作品やミニ・アルバムの場合は、シングル曲/タイトル曲/プロモーション活動曲のみではなく、全カップリング曲を含めた総合的な内容が評価の対象となっている。‡

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