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<<   作成日時 : 2010/09/20 04:00   >>

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Secret: Madonna

画像 10年4月に待望のCDデビューを果たした四人組ガールズ・グループが、早くも二作目のミニ・アルバムを発表。シークレット(Secret)の魅力は、やはり何といっても強烈なくらいにパンチの利いたコーラス・ワークにある。嬉しいことに、僅か四ヶ月のインターヴァルで新作をリリースしていくるというペースも、その歌声と同様に実に威勢がよい。
 そのかなりオーソドックスで正統派なヴォーカルには、伝統的な女性コーラス・グループの系譜にも連なりそうな雰囲気がある。立ち上がりの早いフレッシュで溌剌とした発声は、バーバラ・イングラム(Barbara Ingram)、カーラ・ベンソン(Carla Benson)、イヴェット・ベンソン(Evette Benton)からなるザ・スウィートハーツ(The Sweethearts)の懐かしい歌声を思い起こさせてくれたりもする。各構成メンバーの声質の絶妙な混ざり具合や、ピッチリとした整合感のあるハーモニーの美しさが、コーラス・グループにとっての命であり、非常に大切な音楽的な要素にもなる。シークレットの太々しいくらいの力強さをもつコーラスは、そうした往年の名グループにも匹敵するような、確かな実力と魅力を兼ね備えてもいるのだ。フィリー・ソウルやサルソウルのディスコ・ミュージックで、濃厚なコーラスをぶちかますシークレットの姿を、思わず妄想してしまえたりするくらいに。
 オープニングを飾る表題曲の“Madonna”は、ポップの女王の座に20年以上にも渡り君臨し続ける、マドンナ・チコーネにオマージュを捧げた一曲。華々しいブラスをフィーチュアした、パーカッシヴなライヴ・バンド風のビートによるファンキーなジャック・スウィングである。呪文めいたメロディで始まったと思ったら、その直後に印象的なサビのリフレインがガツンと炸裂して、一気に高々と上り詰める。まさしく、シークレットのお得意の展開である。四人のヴォーカリストとしての魅力を大いに活かす、これ以上ない程に迫力のある鉄壁のパターンともいえるだろうか。基本的な楽曲の形式やサビのフレージングの様式などは、前作からのヒット曲“Magic”とほぼ同じ路線を踏襲したものとなっている。このあたりには、やはり強かな戦略の影が見え隠れしている。
 昨年あたりから猛烈な勢いでガールズ・グループのデビュー・ラッシュが続いている韓国歌謡界。そこでは、多くの新人グループたちが、先を争うように押しも押されぬスターの座を確立しようと、熱く鎬を削りあっている。そこで重要になってくるのが、多くの人々に認知されるトレード・マークとなるような部分を、いかに生み出してゆくかという点である。そのような意味では、こうしてシークレットが、華やかで勢いのあるコーラスという、最もアピールする部分を強く打ち出したスタイルの楽曲を連発しているのも、当然の成り行きなのだといえるだろう。“Magic”に続いて“Madonna”と、立て続けにシークレットらしいヒット曲を飛ばすことで、グループのカラーやスタイルが、広く浸透してゆくことになる。
 この強かな戦略は、四人が元々もっていた資質を活かし、その歌唱をよりパワフルなものに鍛え上げたことによって、初めて可能になったものなのであろう。音楽のスタイルやダンス、ファッション、ラップなど、ポイントとなりそうな要素は、何でもよいのだ。確かな武器になりそうな光るものが何かあれば、そこを最大限に引き伸してゆくことが、この世界では第一に肝要なのである。少しでも他の誰かと違うことや、少しでも他の誰かと被らないことをすることで、少しでも独自の輝きを放とうとする。最初から誰かと一緒や、誰かの物まねでは、全くお話にならない世界なのである。(2NE1が、“Try To Copy Me”と歌ったのは、すぐに真似したがる創造性の低いフォロワーたちへ向けた挑発であると同時に、独自のものを非常に高いレヴェルで打ち出しているグループの音楽性やスタイルに絶対的な自信があるからなのである。)
 シークレットのアピール・ポイントの打ち出しは、とても速やかで、よい意味で、あからさまなまで分かりやすいものでもあった。楽曲という作品を通じて、音楽的/歌唱的にひとつのスタイルを作り上げてゆくという方法は、最も正統派な斬り込み方であったといえるかも知れない。いくら現在のアイドル・グループのメンバーが、全方位的なタレントや魅力が必要とされているといっても、やはり結局のところ、歌そのものや音楽性・音楽スタイルなどで勝負できないのでは、ちょっぴり本末転倒だというしかない。
 なかなかコレといった決定打を打ち出せまま、次から次へと飛び出してくる新顔や新曲の大洪水の中にズブズブと埋もれていってしまった先例も間違いなく存在する。ブレイクのきっかけとなるものを何とか掴み取ろうと、ただ闇雲に暗中模索を繰り返し、マイナー・チェンジや路線変更に明け暮れているグループも少なくはない。ただ、明らかにいえることは、この世界では、誰もが恐ろしい程に必死なのである。舞台の上はスポット・ライトが輝き、非常に華やかに見えるが、実際には食うか食われるかの過酷な生存競争が、その裏側で日々繰り広げられているのである。
 多くのフレッシュな顔ぶれの新人アクトが林立する中で、もはや一般的なアイドル路線を踏まえただけのスタイルでは、独自の色を打ち出しにくくなっていることは確かである。そうした在り来たりな枠の内部における殆どのパターンは、すでに多くの先人たちによって、限りなくやり尽くされてしまっているといってよい。ライヴァルたちとの明確な差異化を図ってゆくには、より多様なスタイルを身に付け/新たに開拓してゆく道を、率先して模索してゆかなくてはならないだろう。アイドルらしいアイドルよりも、あまりアイドルらしくないキラリと光る才能をもったとてつもないアイドル像が、今や求められているのである。
 シークレットのように、明らかに独特のアピール・ポイントとなるような、往年のモータウンやフィリー・ソウルのガールズ・グループにも通ずるゴージャスなヴォーカルのスタイルを、元々に備わっていた資質から作り上げることができたことは、とても幸運であったといえるのかも知れない。現在の多様化した状況の中で生き残ってゆくには、やはりある程度の耳目を引くインパクトの大きさというのは、極めて重要になってくると思われる。ただし、あまりにも見た目のインパクトばかりが先行しているのも困りものであるが。実際には、それを裏打ちし支えうるだけの確かなものがあった上でのインパクトでないと相当に厳しいだろうけれど。例えば、レインボー(Rainbow)のシャツの裾をまくり上げるセクシーなダンスや、「Don't touch my toy」という衝撃的なラップで度肝を抜いたGPベーシック(GP Basic)の小学生ラッパー、ジェイニー(Janey)のように。
 しかし、逆に考えると、かなり早い段階から、ひとつの確固たるカラーが染み付いてしまうことによって、そこからの脱却が難しくなり、出口のないワン・パターン地獄に陥る怖れも大きくなるという、あまり有り難くない弊害も生ずることになる。ここまで同系統のファンキーに弾ける楽曲で押し通してきているシークレットは、そういう意味では、かなり危うい部分を抱え込んでしまっているのかも知れない。いくら何でも、ひとつの型ばかりを繰り返しているのでは、あまりにも能がないし、飽きられるのも早いだろう。華やかに多くのガールズ・グループが覇を競い合う人気歌謡の世界は、どう考えても飽和状態にある。そこは、悠長にひとつの様式美を追求していられるような場では、決してないのだ。
 シークレットも、十八番のパワフル・ヴォーカル路線をさらに強烈に押し進めるなどして、少しずつ古くなった殻を破りながら、常にグループのトレード・マークとなるスタイルを、フレッシュに保ち続けなければならないだろう。苦心に苦心を重ねて、ようやく確立できたスタイルだからといって、そこに固執してしまっていては、逆に命取りになる。広く認知された者には、より刺激のある新たな一段高いエンターテインメントが期待される。トップ・グループで走り続ける者に、ネタ切れは決して許されない。シークレットも、これからは絶えることなき超克の努力が求められることになってゆくであろう。
 ここで問題となるのは、ライヴァル間での競争がヒート・アップしてゆくにつれて、一歩でも半歩でも先んじようと、どんどん新しい作品のリリースのペースが上がってゆく怖れがあるということである。斬新でインパクトのあるアイディアは熱いうちに出してしまわないと、ライヴァルに先手を打たれてしまうかも知れない。そうした強迫観念に、誰もが取り憑かれ始めるのだ。その目に見えない連鎖によって、さらに人気歌謡の世界は新顔と新曲で溢れかえり、より飽和した状態に拍車がかかってゆくことになるのではなかろうか。そして、競争は、より過激なものにもなってゆく。もしかすると、この歯止めを失った狂騒が、えげつない程にエスカレートしてゆくようならば、次は、敢えてそことは距離を取るようなスタンスが、斬新でインパクトがあり光り輝くものとなってゆく可能性は大いにあるだろう。
 いずれにしても、現在の韓国の人気歌謡は、相当に熱い。日本や中国といった東アジア圏だけでなく、インターネットの情報網を通じて、米国や欧州、果てはアフリカまで、世界中に熱心なコリアン・ポップのファンを増殖させている。今回初めてワールド・ツアーと銘打ってアジアを飛び出して北米のロサンゼルスにまで進出することとなった、SM Entertainment所属のアーティストが総出演する、“SMTOWN Live 10”(10年9月4日、ステイプルズ・センター。出演は、BoA、スーパー・ジュニア(Super Junior)、SNSD、シャイニー(SHINee)、F(x)、等々)の大成功を見ても明らかであるが、これらのコリアン・ポップのアーティスト/アイドル(グループ)は、もはや当たり前のように米国の西海岸でも大人気なのである。また、伝統あるハリウッド・ボウルにおいて開催される、毎年恒例の“Korean Music Festival”(今年の第8回目にはワンダー・ガールズ(Wonder Girls)、2PM、KARA等が出演)なども、元々は現地の韓国人コミュニティを基盤にした地域の夏祭り的なイヴェントであったのだが、ここ数年で、その盛り上がり方や雰囲気は大きく変容しつつあるようにも感じられる。在米のコリアン・アメリカンだけではない、横の連帯を通じたエイジアン・コミュニティ全体や、それ以上の爆発的な受容の広がりが、そこには確実にある。長年にわたり存在していたコミュニティごとの壁を、今世紀に入ってからのトランスナショナルでトランスカルチュラルなコリアン・ポップは、軽々と突き崩していってしまっている。この勢いは、このまま拡大し続けるのであろうか。ポップ音楽の突破力・浸蝕力の凄まじさを、まざまざと痛感させられる。
 欧米のポップ・ミュージックや日本の歌謡曲(いわゆるJ-POPというよりも、ここにはキャンディーズやピンク・レディの時代にまで遡れるものがある)からおいしい栄養分を貪欲に吸収し、これを半島や大陸の文化を刻印した旋律や伝統音楽の流れを受け継ぐポップスに果敢に導入していったことで、飛躍的なまでの急速な発展を遂げていったコリアン・ポップ。その高度なハイブリッド種として出現した新しい音楽が、今度は半島から全世界へ向けて、物凄い勢いで逆流してゆこうとしている(ここで、歴史的な民族離散のルートが、今一度世界地図上で重要な意味をもってきていることはいうまでもない)。このままの突き進んでゆくと、韓国語で歌われる歌が、実際に世界的な大成功をおさめる日も、そう遠くはないのかも知れない。かつて、坂本九が63年に“上を向いて歩こう”(“Sukiyaki”)で、ビルボード誌のヒット・チャートの第一位を獲得したように。
 さて、いきなりホットにファンクした冒頭の“Madonna”に続く4曲では、切なくもほろ苦いバラードを中心とする、かなりじっくりと聴かせる展開が待ち構えている。チキチキでエレクトロなラガ・ジャングル風(“La La La”)から格調高いピアノをバックに配した大人な曲調(“Leave Space Empty”)まで、様々な角度からシークレットの歌唱の実力と魅力に、眩いまでの脚光が当てられてゆく。全くもって抜かりのない流れである。パワーと勢いだけのガールズ・グループではないという部分を、みっちりと見せつけておくことは、とても重要なことなのだ。一面的で薄っぺらな個性だけでは、到底生き抜いてゆけない世界であるから。こうした暗黙の要請にも確かに対応できる懐の深さが備わっているという点も、実に頼もしい。この四人の堂々たる佇まいから放たれる腰の据わった歌唱には、ちょっぴり新人離れしたものすら感じてしまったりもする。
 中でも、甘く爽やかな雰囲気のエレクトロニックなR&B曲“Give, Don't Give”が、かなり胸キュンな仕上がりでよい。湿っぽさは控えめで、イイ感じにグッとくるミッドテンポのバラードである。やや平坦さのある微かにダブステッパーなロー・ビートに合わせて、ピアノのコードが細かく連打され、そこに非常にスムーズなヴォーカルが無理なく流れるようにのってゆく。薄らとフィーチュアされるストリングスのアレンジメントや、メロウでへリョへリョなシンセのフレーズなども、よい具合に美しい歌唱の引き立て役として機能している。それにしても、ここで聴くことのできる、ソウルフルな情感と透き通るような可憐さを併せもつ各メンバーのソロ・ヴォーカルは、実に質が高い。このグループの歌唱力の高さや、それぞれの歌手としての表現力の高さが、とてもよくわかる一曲である。ちなみに、ジンガーのキレのよいラップも、シークレットになくてはならない大きな魅力である。このことは、決して忘れてはならない。
 韓国歌謡界の最高機密であったシークレットは、CDデビューで急浮上してからというもの、スピード&チャージで立て続けにスマッシュ・ヒットを飛ばしている。その力強さと深みのあるヴォーカルを、高々と掲げて振りかざしながら。シークレットならではの持ち味を前面に押し出し、トレード・マークとなるスタイルが確立されてきたからには、今度はグループが醸し出すカラーのヴァリエーションを増やしてゆくことも重要となってくる。そのような意味では、もうすでにシークレットも、正念場へと向かう最終コーナーを回りきっているともいえそうである。ここからは、いかなる場面もグループのポテンシャルや力量の度合いが試される、決して落とせないステージとなる。シークレットは、その歌唱力と表現力のレヴェルの高さを、常に証明し続けなくてはならない。実に過酷極まりない世界である。義理も人情もありゃしない。強い意志の力のある者だけが生き残る。
 だが、どんなに厳しい正念場や修羅場をくぐり抜けてゆこうとも、シークレットには“Magic”や“Madonna”で見せてくれた、極上のファンク魂が弾けるように噴出する歌唱を、決して失わずにいてもらいたい。初心忘るべからず。出世作となったファンキーでゴージャスな躍動感のあるダンス・ナンバーは、シークレットがシークレットらしさを最初に打ち出したスタイルとして、いつまでもキープしていってほしいのだ。まあ、清々しい色香をほとばしらせながらセクシーに舞い踊るソンファの艶姿を、これからも見たいという全く別の動機もその裏にはあるのだけれど。
 とにかく、このセカンド・ミニ・アルバムは、前作と同様に駄曲の全くない素晴らしい作品となっている。しかも、あまり意味のないインストゥルメンタル・ヴァージョンを収録したりする水増し行為も一切ない。全5曲の頭からお尻までで、四人の華麗なるヴォーカル・パフォーマンスを心ゆくまで堪能できる。楽曲の質や歌唱の質という面では、現在の群雄割拠な状態にあるコリアン・ポップのグループの中でも、このシークレットが最も安定感があり、安心して聴いていられるグループであるかも知れない。まだデビューして間もないルーキーであるが、ひとつのグループとして、音楽的に物凄く成熟したものすら感じられるのである。その絶品な歌唱の秘密のヴェールは、すでに完全に取り払われている。いや、まだまだ隠されたベスト・ケプト・シークレットが存在するのだろうか。そのあたり非常に気になるところである。(10年)

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