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zoom RSS Alicia [White Trash] Bostock: La Crise Economique

<<   作成日時 : 2007/12/10 21:12   >>

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Alicia [White Trash] Bostock: La Crise Economique C'est Fantastique
Cunt CUNT 12 001

画像 03年に発表されたホワイト・トラッシュのヴォーカリスト、アリシア・ボストックのソロ・シングル。これは、81年に仏Virginより発表されたレ・シヴィル(Les Civils)によるエレクトロニック・ポップの古典曲“La Crise”(“La Crise Economique”)のカヴァーである。Les Civilsは、ロウラン・サンクラーとヴィンセント・フェルニオからなるユニット。このサンクラーは、実はフレンチ・ニュー・ウェイヴの伝説的グループ、タクシー・ガールでシンセサイザーを担当するメンバーでもあった。というか、タクシー・ガールでの活動のほうが彼の本業。おそらく、Les Civilsはサンクラーのソロ活動におけるスタジオでの作業の過程から自然発生的に形成されていったユニットだったのではなかろうか。この“La Crise”のヒットと同年の81年に、タクシー・ガールはストラングラーズのジャン・ジャック・バーネルをプロデューサーに迎えたファースト・アルバム『Seppuku』を発表している(切腹とは、いかにも三島狂のバーネルらしいタイトルではないか!しかも他人のアルバムだというのに自らの趣味性を丸出しにしている!)。そのあたりのことを考慮してみても、やはりLes Civilsでの活動とは、サンクラーにとって、ほんのサイド・ワーク程度のものであったのだろう。また、タクシー・ガールは、最近ではマドンナのアルバム『Music』や『American Life』にプロデューサーとして起用されているミルウェイズ・スタス(マーワイス・アーマドザイ)が在籍していたグループとしても有名である。
 このアリシア・ボストック版の“La Crise”では、新たにタイトルが“La Crise Economique C'est Fantastique”と長々しいものに改められている。あまりフランス語に明るくないので全く自信はないが、当てずっぽうで邦題をつけるならば「素晴らしき経済危機」とか「素敵な経済危機」といった感じであろうか。経済の危機的状況に乗じて浮上しようと好機を虎視眈々と待ち構えている地下の秘密政治組織についての歌だろうか。やはり元々はフランス人が書いた曲だけに、何ともいえない反逆精神を内にフツフツと秘めたポリティカルな香りがプンプンと漂っている。さらに挑戦的なのは、本盤をリリースしているレーベルの名称である。フランスのDiscograph傘下に設立された、Cuntの001番。Cuntとは、最も下卑た言い回しでの女性器の呼び方である。罵倒や侮蔑などの際に使用される数ある四文字言葉の中でも最低で最悪の最下級に位置づけられる忌々しい単語とされるのが、Cunt。そんな一般の人々にとっては口にすることさえおぞましい名前をもつレーベルの名前に、おそらく周囲も相当にドン引きだったのではなかろうか。03年の“La Crise Economique C'est Fantastique”のリリース以降、このCuntからは一枚たりとも作品が発表されてはいない。これは、そんな忌々しきCuntの名の下にリリースされた、白いクズによる唯一の挑戦的で挑発的なシングルということになる。
 実は、この作品には、さらに挑戦的な面が存在している。本盤は、片面のみのプレスであり、そこには3分57秒の“La Crise Economique C'est Fantastique”のオリジナル・ヴァージョンしか収録されていないのだ。果たして、これを12インチ・シングルで発表する意味があったのであろうか。レーベル名からリリースのフォーマットにいたるまで、全てに渡ってイカンなくホワイト・トラッシュぶりを発揮してくれているアリシア・ボストック。ただただ凄まじい。だがしかし、肝心の音のほうは、結構まともにLes Civilsのカヴァーに徹していたりする。シンプルなエレクトロ調のトラックにやや舌足らずなボストックによる呟き系ヴォーカルがのり、サビの部分のみに投げやりな脱力ディストーション・ギターが微かに響いて、呟きとは一転した可憐な歌声のボストックによる激シンプルなコーラスがそれに続いて登場する、という曲構成。イントロ、呟き、サビ、ブリッジでのコーラス、呟き、サビ、呟き、サビ、ブリッジでのコーラス、間奏&モノローグ、サビ×2、後奏。そして、ただひたすらにヤルべきことをヤルだけヤリきってエレクトロ・ビートは3分57秒で唐突に止まる。実に潔い。本作品のプロデュースを手がけているのは、ジ・オール・シーイング・アイ(The All Seeing I)。本盤における決して一筋縄ではゆかぬチョット挑戦的な部分の裏側には、この相当にひねくれ者の集団であるプロデューサー・ティームの存在があったのである。ジ・オール・シーイング・アイは、ディーン・ホーナー、ジェイソン・バックル、リチャード・バラットからなる3人組。ディーン・ホーナーは、ジャロッド・ゴスリングとのユニット、アイ・モンスター(I Monster)としても活動しており、その一方でMuteのアド・エヌ・トゥ・エックス(Add N To (X))のサテライト・メンバーという顔ももつ。ジェイソン・バックルことJP・バックルは、ロス・オートンなどが所属するファット・トラッカーズのメンバー。また、ディーン・ホーナーとファット・トラッカーズのロス・オートンは、ムー(Mu aka Mutsumi Kanamori)がヴォーカルを担当するムー・チャン・クランというバンド形式のユニットを組んでいたりもする。そして、ファット・トラッカーズのバックルとオートンは、ホーナーが参加しているアド・エヌ・トゥ・エックスのサウンド・プロダクションに携わることもある。リチャード・バラット(パロット)は、90年にWarpにおいてブリープ・テクノの元祖である歴史的名作“Testone”を生み出したシェフィールドの伝説のユニット、スウィート・エクソシストをキャバレー・ヴォルテールのリチャード・H・カークと組んでいた人物。そんなトンでもなくディープなバックグラウンドを持つプロデューサー・トリオが絡んでいる作品なのだから、このアリシア・ボストックのソロ・デビュー盤が無茶苦茶な代物に仕上がってしまっているのも、まあいたしかたないところなのであろう。いや、ジ・オール・シーイング・アイのような連中にとっては、これぐらいブッ飛んでいるくらいがごく普通で当たり前な世界だったりするのである。
 03年、Discographは『Northern Electronic』というコンピレーション・アルバムを発表している。これは、エレクトロクラッシュのブームを受けてイングランドの北部の音楽都市、シェフィールドやマンチェスターから登場してきた、パンクなアティチュードをもつササクレ立ったエレクトロ・サウンドを噴出させているアクトを一同に集結させた作品である。実は、ここには、ファット・トラッカーズとアイ・モンスター、そしてアリシア・ボストックがヴォーカルを務めるホワイト・トラッシュの楽曲が揃って収録されていた。そして、ここでホワイト・トラッシュのプロデュースを担当しているのは、ロス・オートンとリチャード・バラット(パロット)なのである。このあたりの繋がりも興味深いが、さらに面白いのは、ホワイト・トラッシュの03年のシングル“I Don't Love You”がロンドンのインディ・レーベル、Showbizからリリースされているという点である。このShowbizは、最近では03年にM.I.A.のデビュー・シングル“Galang”を発表したレーベルとして知られている。この“Galang”を始めとしてM.I.A.の作品には、ロス・オートンがスティーヴ・マッケイとのコンビ、ケイヴメンとしてチョコチョコ携わっていたりもする。いや、オートンが絡んだShowbizからの刺激的なデビュー盤“Galang”があったからこそ、今のM.I.A.があるのだと翻って考えれば、世界的なスーパースターとなりつつある現在のM.I.A.の存在はオートン無しには語れないということにもなる。M.I.A.がロンドンの弱小インディ・レーベルであるShowbizから世界に羽ばたいてスーパースターになれたのならば、ホワイト・トラッシュのアリシア・ボストックがその後に続いたとしても決しておかしくはないだろう。アリシア・ボストックの後ろ盾には、M.I.A.と同様にオートンがおり、パロットなどのジ・オール・シーイング・アイ/アイ・モンスター/ファット・トラッカーズ系列の極めてエグいクセ者たちもその周辺に控えている。いや、もしかすると、このクセ者トリオのアクが強すぎて、世界的ブレイクの妨げになってしまう可能性もなきにしもあらずだろうか。いずれにせよ、アリシア・ボストックとホワイト・トラッシュには、その周辺でウロウロしてるクセ者たちの毒に思いきりまみれながら、さらなる活躍と飛躍を望みたいところである。最近、ほとんど目立った動きがないようなのは、チョット気がかりであったりもするのだが…。

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M.I.A.
このアルバムは最強です!全作のArularもかなりカッコよかったけど今作のKalaはまた一段とレベルアップしています!!去年は日本でLIVEもしたりと、なかなか精力的です!!ジャンルに捕らわれない音が新たな時代を感じます!!一度聞いてみて下さい!このKalaのアルバムに入っているJimmyという曲のプロモは面白いので機械があれば是非一度見てください!!お薦めです!! ...続きを見る
音の世界,Alicia [White T...
2008/01/29 19:36

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