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<<   作成日時 : 2007/12/02 04:40   >>

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Tiffany Page: Old Friend
www.tiffanypage.co.uk

 70年代後半からStiff所属のロンドンの特異なパブ・ロック・バンド、イアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズのギタリスト兼キーボーディストとして活躍し、大ヒットを記録した“Hit Me With Your Rhythm Stick”や“Spasticus Autisticus”などの斬新なエレクトリック・ディスコ作品の制作に関わり、80年からは活動の拠点をアメリカに移してブロックヘッズとは距離を置いてソロ・アーティストとしての道を歩み出し、“Ai No Corrida”や“Glad To Know You”、そして“3,000,000 Synths”などの80年代型エレクトロ・ファンクのディスコ・ヒットを連発した、伝説のプロデューサー、チャス・ジャンケル。07年には、Bear Funkのスティーヴ・コテイ率いるコテイ・エクストラ・バンド(ドラマーは、元アダム&ジ・アンツ、バウ・ワウ・ワウのメンバーで、現在はア・マウンテン・オブ・ワンに在籍するデイヴ・バルバロッサ)にゲスト・ヴォーカリストとして参加し、ミュンヘン・ディスコの帝王であるジョルジオ・モロダーの76年発表のアルバム『Knights In White Satin』の収録曲“Sooner Or Later”のカヴァー・ヴァージョンを発表。久しぶりにダンス・ミュージックの最前線にヒョッコリと顔をみせてくれたジャンケル。このシングル“Sooner Or Later”が呼び水となったのか、単なる序章に過ぎなかったのか、遂にはTirkよりジャンケルの数々のヒット曲から未発表ヴァージョンまでを網羅したソロ・ワークスのベスト盤『My Occupation - The Music Of Chaz Jankel』が飛び出すという事態にまで発展した。なぜか、ここにきていきなり沸騰しはじめたジャンケルの再評価熱。はたして、これはどこから来て、どこへ向かうものなのか。どうもあまりハッキリとは読めない感じである。文字通りに、降って湧いたような突発的な再評価であるのだろうか…。
画像 そんなジャンケル熱が異様な盛り上がりをみせる最中に、YouTubeでジャンケル関係のヴィデオを漁っていると、なぜか必ずブチ当たるのが、ティファニー・ペイジという若い女の子がギター一本で弾き語る“Old Friend”という楽曲の映像である。ヴィデオの説明書きによれば、この“Old Friend”という楽曲はティファニー・ペイジとチャス・ジャンケルの共作曲であるらしい。現在55歳のジャンケルと、どう見てもまだ20代前半ぐらいでしかないペイジ嬢に、どんな接点があり、楽曲の共作へといたったのか、そのへんの経緯は全く定かではないのだが、これはこれで実に興味深い映像である。映像が撮影された場所は、ペイジの自宅のベッドルームであろうか。その背後には、繁雑に帽子やバッグなどの小物類が置かれたベッドサイドのキャビネットらしきものや無造作に壁寄りに押しやったようなブランケットらしきものが見える。ヴィデオは、ベッドの端に腰掛けているのであろうギターを抱えたペイジが、目の前に設置したカメラの録画ボタンを押すところからスタートする。いかにも部屋着といった感じの濃紺のプリント物のTシャツに、思いきりリラックスした寝起きそのままを手櫛で掻きあげただけのような濃いブルネットのナチュラル・ヘア。そのキリッとした目鼻立ちの顔が、カメラの方を向いたその瞬間に、誰もが一目でペイジが相当な美女であることを認識するであろう。まだまだあどけない少女時代の名残りを思わせる面影も端々に残ってはいるが、寛いだ部屋着での表情のみでも、そこに備わっている美しさが際立ったものであることは、一目瞭然である。そして、おもむろにギターをジャラジャラとかき鳴らすペイジ。“Old Friend”は、ややブルージーな香りのするストロング・スタイルのカントリー調フォークである。そして、何よりもまずペイジの実に魅力的な歌声に一発で耳を奪われる。絶妙に嗄れて擦れた、程よく低いトーンのイイ感じにドスの利いた最高のカントリー声。これほどの歌声は、なかなかに類をみないタイプのものである。まさに得難い歌声、ヘヴン・セント。そして、ペイジの現代的で洗練されたシャープな美貌と、ちょっと泥臭くブルースの香りのするカントリー・フォーク向きの嗄れた歌声は、そうそうは結びつきそうにないものでもある。だがしかし、どうやら天はペイジに二物を与えたもうた。“Old Friend”の曲調の基盤となっているのは、間違いなくブルースやカントリーであると思われるが、サビのパートに向かって律儀に押韻を繰り返しながらメロディをリズミカルに積み重ねてゆく展開などには、やはり英国調の正統派ポップスやパブ・ロック的な雰囲気と匂いが明確に感じられたりすることも確かである。このあたりの曲調の妙味を鑑みると、イアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズのDNAを今に伝えるジャンケルおじさんの“Old Friend”への関与が真実なのではないかと、ヴィデオの説明書きのクレジットを素直に信用せざるを得ない心持ちにもなってくる。もう二度と会うことはないかも知れない古い友人に対して真正面から歌いかける形式の楽曲である“Old Friend”。うがった聴き方をするならば、この楽曲は、現在のジャンケルから00年3月に他界した、かつてのバンド・マスターにして自らの音楽的才能を見いだしてくれた古い友人であるデューリーに対して贈られた、真心を込めたメッセージ・ソングなのではないか、という気がしてこないでもない。そんな楽曲が、どんな経緯で、このうら若き無名のシンガー・ソングライターであるペイジと共作され、ペイジの持ち歌として歌われているのかは、全くもって謎である。やはり、故デューリーへのトリビュート・ソングという見方は、ちょっと強引に裏を読みすぎたものであるのかも知れない…。
 何度か繰り返し“Old Friend”の映像を観ているうちに、いつしか本格的にペイジの絶妙に渋くブルージーなカントリー声の魅力に取り憑かれてしまっていることにハタと気がついた。基本的にルックス面においては格段に素晴らしいものをもつペイジだが、歌っている際の多彩な表情にも実に魅力的なものがある。それらの表情からは、底抜けの朗らかさや芯の通った気の強い一面など、彼女のベーシックな人柄がアリアリと伝わってくるようでもある。YouTubeで自作の歌を披露しているシンガー・ソングライターというのは、どんなに無名でどんなにローカル限定の活動しかしていない歌手であったとしても、大抵の場合は自分のホームページかmyspaceを開設していたりするものである。ペイジの場合も探せば何かあるのではないかと、謎のジャンケル絡みの“Old Friend”に関する新たな情報を得るために、早速ネット上で検索をかけてみた。すると、やはりホームページもmyspaceもどちらも存在していた。しかしながら、これがどちらを見てみても、あまりペイジに関して詳しい情報は入手できず、幾つかの断片的な情報だけが掴めるだけであったのである。どうやら、ペイジはロンドンの小さなヴェニューを中心に月一のペースでライヴ活動を行っているらしい。どうやら、ペイジは元リバティーンズで現ベイビーシャンブルズのピート・ドハティのソロ・ライヴのサポート・アクトを務めたことがあるらしい。どうやら、ペイジはChannel 4やBBCのテレビやラジオの番組に何度か出演した経歴があるらしい。どうやら、ペイジはアフリカ生まれで8歳の時に北ロンドンに引っ越してきたらしい。どうやら、ペイジは学生時代に教師に対する暴行が原因で停学処分を受けたことがあるらしい。どうやら、ペイジは14歳の時に初めて買ってもらったギターで本格的な曲作りを始めたのだが、ある時に2階から投げ落としてそのギターをブッ壊してしまったらしい。といった感じで、どこを見渡しても“Old Friend”を共作したとされているジャンケルに関する記述は全く見あたらない。しかしまあ、とりあえず収拾してみた断片的な情報を張り合わせていったとしても、このペイジという不思議な魅力をもつシンガーの全貌が決して明らかになるほどではないのだが、この子はなかなかに面白いパーソナリティの持ち主のようである。見かけによらず結構荒んだ10代を過ごしたようでもあるし。あの魅惑の歌声は、まだまだピチピチに若いくせしてバッチリと酒灼けした嗄れ声であるということなのだろうか。ホームページにあるヴィデオのコーナーでは、ペイジがChannel 4の番組に出演した際の、短いプロモーション・ヴィデオ風の映像を観ることができる。白いブーツに黒のタイツと超ミニスカートというラフな今どきの女の子風のファッションで街中をブラつきながら歌ったり、カフェでたたずんだりしているペイジの姿が映し出されているのだが、やはり洗練されたモデル並みの顔立ちと嗄れて擦れた渋い歌声のギャップがかなり激しいのが、何とも素晴らしい。この手の声は、一度虜になってしまうと、ちょっとやそっとじゃ耳にこびりついたまま離れなくなってしまうのが非常に怖い。だが、まず初めに“Old Friend”の映像を観て、気になったペイジについてアレコレと調べを進めているうちに、もうすっかり虜にされてしまっていたようである。これはもう、そう簡単には逃れられないかも知れない…。
画像 ペイジのホームページとmyspaceでは、“Old Friend”以外の彼女の持ち歌を幾つか聴くことができる。そのいずれもがフォーキーな味わいがタップリとある、かなり聴ける楽曲となっているのは、正直ちょっとした驚きである。特にロンドンらしいレゲエをベースのアレンジに用いた“JS Song”などは、軽快なポップスに仕上がっており、今すぐにでもヒット・チャートに登場したとしても決しておかしくはない、かもだ。まあ、レゲエ風のポップスということでリリー・アレンあたりの亜流と見なされてしまうのがオチかも知れないけれど。だが、ここで特に注目しておきたいのは、そうしたアレン云々やポップス云々といった部分についてではない。まずは、ペイジのホームページで聴ける、YouTubeでのギター一本の弾き語りヴァージョンとは全く異なるスタジオ録音の“Old Friend”が問題となってくる。ここでのファイナル・カット・ヴァージョンの“Old Friend”には、とても渋めなドラムやエレクトリック・ギターによるバッキングが付加されている。それ以外にも、バスキング風を狙ったような規則的なハンド・クラップの連打やアクセントとして差し挟まれるピュンピュンいってるシンセ・ドラムのおかずなど、かなりオヤッと思わせる音がいたる所にちりばめられてもいる。もしや、この楽曲の録音や制作作業にもジャンケルは絡んでいるのではなかろうか。また、レゲエ調の“JS Song”においても、そこかしこでムニューンとアナログ・シンセが異音をひねり出したり、終盤のダビーなファンク・スタイルの展開へとモツレ込んでゆくあたりなどは、かつてデューリーとジャンケルがスライ&ロビーと繰り広げたコラボレーションを微かに彷彿とさせてくれたりもする。これらの作品に実際にジャンケルが関わっているという確証はドコにもない。ただ、その特徴的な音の手がかりのみを頼りにアレコレと推測しているだけのことである。だが、実際にジャンケルが関わっていようがいまいが、本当のところは、もうドウでもよかったりする。ここでの主役は、間違いなくペイジの渋い魅惑の嗄れ声であるのだから。
 ジャンケルのmyspaceのブログを覗いてみると、女性シンガー・ソングライターのセイラ・ギレスピーとコラボレーションを行い、レコーディングに参加したことが記されている。また、シンガーのタイラ・フェンネルとのアルバム制作についての話題などにも触れられている。どうやら、ジャンケルは91年にアメリカからロンドンに戻って以来、完全復帰を果たしたブロックヘッズの一員としてのライヴ・ツアーなどの活動の合間を縫って、様々な若い世代のアーティストたちと積極的に交流し、あちらこちらでコラボレーションを行っているようである。その一環として、ロンドンの音楽シーンで活動を行っている魅力的な声をもつ若きシンガー・ソングライター、ペイジとの楽曲の共同制作があったとしても何ら不思議ではない。おそらく、YouTubeのクレジットにある通り、“Old Friend”はペイジとジャンケルによる共作曲なのであろう。このへんはもう、信じるか信じないかは、あなた次第、という世界のことであるのかも知れないけれど…。
 今のところペイジが本格的にレコード・デビューをする予定はないようである。今の時代、彼女のような地道に活動を続けるシンガー・ソングライターにとって、レコード・デビューとは、そう取り立てて重要なものではないのかも知れない。インターネットという幾らでも自由に作品を発表できる広大なフィールドは目の前に広がっているし、リリースに関してもネット配信という形式をとって全て自らの手で一通り行うことが可能だ。下手にレコード・デビューをして、商業ベースで惨敗して惨めな思いをするよりも、地道に大いなる可能性に満ちた活動をコツコツと続けてゆくほうが数段マシだろう。はたして、このペイジ嬢は、今後どのような音楽活動をして、ひとりの女性シンガー〜アーティストとして成長を遂げてゆくのであろうか。あの特徴的な渋い歌声を武器に、どうにかして何らかの成功を手にしてもらいたい。その声の虜となってしまった者としては、そう切に願わずにはいられない気分である。(07年)

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