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zoom RSS A Mountain Of One: Brown Piano

  作成日時 : 2007/10/20 02:25   >>

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A Mountain Of One: Brown Piano
AMO AMR 03

画像 ア・マウンテン・オブ・ワンの3枚目のシングル。これまでの2作品、いわゆる銀盤と金盤はミニ・アルバムと呼べそうなほどの密度の濃いEPとなっていたが、今回はタイトル曲の“Brown Piano”のみを収録した直球勝負のシングルである。エコーのモヤの中をピアノが響き、静かに女性のモノローグが滴り、ムニューンとギターがむせび泣く。絶妙な抑制を保ちながらウネり流れるようにバンドのアンサンブルは展開してゆき、ソフトで甘いコーラスが聴く者をスルスルスルっとカタルシスへと導く。何やらよく訳もわからぬままに、どこまでも心地よくフワッと浮かび上がったまま聴き通せてしまう、なかなかの大作となっている。
 あちらこちらでバレアリック・リヴァイヴァルの急先鋒などともてはやされているア・マウンテン・オブ・ワンであるが、あの異様な熱気と若さに満ちあふれていた80年代後期のオリジナル・バレアリック・ムーヴメントにあった猥雑な感じと比較すると、やはりどこかクールというか冷静に状況をきっちりと見定めながら音に取り組んでいるような印象がある。おそらくイビザ島のサンセット・パーティかなんかで、この“Brown Piano”がプレイされたら最高に気持ちよくて一瞬で夢見心地になってしまうのだろうけど。でも、バレアリック云々というよりは、やはり彼らが積極的になぞろうとしてるのは70年代のアート・ロックやプログレッシヴ・ロックの佇まいや雰囲気であるように思われる。それもジャーマン系の酸っぱく尖ったクラウト・ロックではなく、北方のトラッド・フォークの流れを受け継いだ英国のプログレ正統種。しかし、このちょっぴり時代錯誤気味で浮世離れしているスペース・ロックを21世紀のピンク・フロイドなどと素直に呼べるかというと、やはり決定的に音に骨太さが足りないような気もする。常にドラムスにスキがあり緩いままなのは大きな弱点である。よって、全体的な音にタイトな緊迫感があまり生じにくいのだ。というか、そういうものは基本的に追究されてはいない。逆に考えれば、それゆえにア・マウンテン・オブ・ワンの紡ぎだす音楽には甘さや柔らかさやドリーミーな味わいが前面的に備わっており、聴く者がすべてを委ねて浸りきれる余地を十二分に残したものになっているということなのかも知れない。
 B面にはスウェーデンのスタジオによる“Brown Piano”のリメイク・ヴァージョンを収録。こちらは持続するビート感を強化したコズミック・ディスコのスタイル。メランコリックな側面もかなり増長されている。だが、個人的には右往左往して足掻きながらも飛翔しちゃうオリジナル・ヴァージョンの出来のほうに軍配を挙げておきたい。イメージ先行のようでいて、そこにいい感じで実が伴いつつあるア・マウンテン・オブ・ワンの深化の過程がまざまざと見て取れるような、ちょっと他では得難いものが“Brown Piano”からは感じられるのだ。(07年)

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